琥珀色の戯言

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007 スペクター ☆☆☆☆



ボンド(ダニエル・クレイグ)は、少年時代の思い出が詰まった生家“スカイフォール”で焼け残った写真を受け取る。彼はM(レイフ・ファインズ)が止めるのも無視して、その写真の謎を解き明かすため単身メキシコとローマを訪れる。死んだ犯罪者の妻ルチア(モニカ・ベルッチ)と滞在先で巡り合ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を確信する。

参考リンク:映画『007 スペクター』公式サイト


2015年29作目。
公開初日・金曜日の夕方からの回を観ました。
観客は50人くらい。
007そのものの人気と、洋画の娯楽作品がちょっと手薄な時期ということもあり、けっこう賑わっていました。
金曜日から公開される映画には、いまひとつの作品が多い、という僕の先入観があるのですが、これはけっこう楽しかった。映画そのものが素晴らしい!というよりは、そうそう、これが『007』だよね、っていう「お約束」を堪能する喜び、とでも言いましょうか。


ちなみに、前作『スカイフォール』の続編っぽい感じで、観ながら、「しまった、『スカイフォール』を予習していたら、『スペクター』とはどんな組織かとか、もうちょっとわかったはずなのに……」と思ったのですが、帰ってきてから、テレビで放映されていたものを追っかけ再生で確認しても、結局よくわかりませんでした。
というか、今回あらためて感じたのは、『007』というのは、ボンドカーとかボンドガールとかの「お約束」を、ダニエル・クレイグさんがフェロモンをぶちまけながら演じるのを観るための作品であり、ストーリーの整合性とかに関しては、あまり深く考えないほうがいい、ということなんですよね。
娯楽映画っていうのは、そういうもんだろ、と。
水戸黄門に「そもそも、当時の人はそんな印籠なんてなんだか分からなかったんじゃない?」ってツッコミを入れるのが不粋なのと同じです。


まあでも、「結局、『スペクター』って何だったの?」とか、「なんか狭い範囲の怨恨で、世界全体を巻き込んで迷惑な連中だな」とかは思いますし、そういう、特撮で悪の秘密結社のしょうもない作戦にツッコミを入れるのもまた、ややひねくれた大人の娯楽ではあります。


冒頭でジェームズ・ボンドが未亡人から情報を得るためにとる手段が「誘惑」ですからね……
いろんなところは破壊しまくるし、こんな目立つスパイ、いないだろ!と。
「忍ぶどころか、暴れるぜ!!」
ニンニンジャーかよ!!
スペクターの本部をみて、「どこのコールセンターだよ!」って思ったし(すみません軽度ネタバレ)。
敵のやることも、「そんなまだるっこしい方法でボンドをいたぶろうとするから、やられちゃうんだろ……まわりくどい連中だな……と呆れるばかり。


でも、そういうのを含めての「お約束」こそが『007』らしさであり、リアリティを突き詰めてもしょうがない。
観終えて、「007のテーマ」を口ずさみながら家に帰るまでが遠足なのです。


ダニエル・クレイグさん、「もっとも僕のイメージするジェームズ・ボンドに近いキャスティング」なんですよね。
今作での降板が噂されていますが、それはちょっと寂しい。


ネットで、「陰気な『ミッション・インポッシブル』」なんて誰かが言っていて、僕もそれは言い得て妙だと思います。
世界各国の観光地巡りみたいになっているのも似ているし。
冒頭のメキシコの「死者の日」のお祭りって、こんなのあるのか、ストーリーの本筋そっちのけで驚いてしまいました。
正直、最新作を比較すると、向うのほうがアクションもストーリーも上回っています。
比較的近い時期に公開されたのは、ちょっと不運だったかもしれません。
でも、こちらにはジェームズ・ボンドと、あのテーマ曲があるからなあ。
レア・セドゥさんも良かった。


ダニエル・クレイグさんのジェームズ・ボンドが好きならば、多少のツッコミを入れつつも、楽しめる良作だと思います。
150分近いので、ちょっと長いかな、という気もするんですけどね。


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