琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

『琥珀色の戯言』が選ぶ、2015年の映画ベスト5


年末恒例の企画、映画篇。
今年僕が観た映画を振り返ります。
今年は30本観ました。
3年前から、38本、37本、37本ときて30本。けっこう減ってしまいました。
でも、「どうしても映画館で観たかったけど観られなかった」という作品もあまり記憶になくて。
来年はけっこう環境が変わりそうなので、もっと減る可能性が高そうです。
そもそも、年間30本程度で、ベストだ何だと言うな、と怒られそうではありますね。


では、さっそくランキングの発表です。


第5位 海街diary

あらすじ
鎌倉で暮らす、幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)。そんな彼女たちのもとに、15年前に姿を消した父親が亡くなったという知らせが届く。葬儀が執り行われる山形へと向かった三人は、そこで父とほかの女性の間に生まれた異母妹すず(広瀬すず)と対面する。身寄りがいなくなった今後の生活を前にしながらも、気丈かつ毅然と振る舞おうとするすず。その姿を見た幸は、彼女に鎌倉で自分たちと一緒に暮らさないかと持ち掛ける。こうして鎌倉での生活がスタートするが……。

この映画の僕の感想はこちらです。


 綾瀬はるか長澤まさみ夏帆広瀬すずの4人が、主役の4姉妹を演じるということで、人気女優をエサに集客を狙った作品かと思いきや、人情の機微と鎌倉の風景がものすごく丁寧に描かれている大変良い映画だったのです。
 4姉妹が人気若手女優てんこもりのため、「ミーハー映画」だと観られてしまいがちかもしれませんが、これ、本当に良い映画ですよ。ものすごく地味だし、「何も起こらない映画」なんだけど。
 「何も起こらない」のに、2時間観ていて退屈せず、エンドロールが流れはじめたときに、「ああ、これからまたこの『物語』が始まっていくのだな」と思いました。
 ぜひ観てほしいなあ、これ。





第4位 アメリカン・スナイパー

あらすじ:
 イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。スナイパーである彼は、「誰一人残さない」というネイビーシールズのモットーに従うようにして仲間たちを徹底的に援護する。人並み外れた狙撃の精度からレジェンドと称されるが、その一方で反乱軍に賞金を懸けられてしまう。故郷に残した家族を思いながら、スコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。4回にわたってイラクに送られた彼は、心に深い傷を負ってしまう。


この映画の僕の感想はこちらです。


 主人公のクリス・カイルは、子どもの頃、父親にこう教えられます。
「世の中には、羊と狼と番犬がいる。羊は、暴力を否定することによって、平和に暮らせると思っている人々だ。だが、彼らは、ひとたび狼たちの暴力や悪意にさらされると、何もできずにやられてしまう。そこで、狼たちから羊を守る選ばれた存在が、番犬なんだ。誰かが、この番犬の役割をやらなければならない」


 この映画に対して、アメリカでは「戦争を賛美している」という批判がある、というのを聞いて驚きました。
クリント・イーストウッド監督が描きたかったのは「英雄伝」ではなくて、「戦争、あるいは歴史という大きなうねりの前での、ひとりの人間の、そしてひとつの家族の儚さ」みたいなものではないかと、僕は感じました。
絶対的に正しい人なんていない。
だからこそ、争いというのは、終わらない。
羊には羊の、狼には狼の、そして、番犬には番犬の、哀しみがある。
 

 アメリカという国は、まさに、みずからを「世界の番犬」だと位置づけてきた国、なんですよね。
 クリス・カイルの苦悩は、アメリカの苦悩でもあるのだと思います。
 周囲からは「圧倒的に有利なのに」と言われるけれど、彼らもまた、満身創痍になりながら、ずっと戦い続けているのだから。





第3位 幕が上がる

あらすじ:
地方都市の県立富士ケ丘高等学校2年生の高橋さおり(百田夏菜子)は、部長を務める演劇部最後の1年を迎えようとしていた。それぞれに個性豊かな部員たちと共に年に1度の大会、地区大会突破を目標に稽古に励む中、元学生演劇の女王だという吉岡先生(黒木華)が赴任してくる。吉岡の指導の下、全国大会出場を目指し彼女たちの演劇に打ちこむ日々が始まる。


この映画の僕の感想はこちらです。


 僕は「ももクロ」のことをほとんど知らないのだけれど、ラスト近く、演劇部の先輩後輩として、「ももクロ」のメンバー5人だけが教室に集って記念撮影をするシーンをみて、なんだか涙が出そうになって。
 これは、きっと「今」しか撮れない映画なんだよなあ。
 あと何十年か後、「ももクロ」の人たちは、そのとき何をやっているかはわからないけれど(芸能界で活躍している可能性はあるけれど、さすがにもう「ももクロ」はやっていないだろう)、きっと、この映画、この5人で教室で話しているシーンのことを、懐かしく思い出すことができるはず。
「あのとき、みんなで一生懸命演技の練習をして、映画を撮ったんだよね」って。
 その記憶は、この先、どんなことがあったとしても、彼女たちの人生を、温め続けてくれるのではないだろうか。
 そして、そういうのって、大なり小なり、「何かをやろうとしてきた人」が、持っているのではなかろうか。
 これは「高校演劇コンクール」に臨む、富士ケ丘高校の物語でもあり、それと同時に、『幕が上がる』という映画で演技に挑戦した、ももいろクローバーZの物語でもある。
 なんだか、最後のほうは、ドラマなのかドキュメンタリーなのか、よくわからなくなってきました。
 でも、そのわからなくなって、溶けあっていく感じが、すごくよかった。


 ちなみに、この映画のメイキングも劇場公開され、現在はDVD化もされています。

幕が上がる 豪華版 [Blu-ray]

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第2位 ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション

あらすじ
正体不明の多国籍スパイ集団“シンジケート”をひそかに追っていたIMFエージェントのイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、ロンドンで敵の手中に落ちてしまう。拘束された彼が意識を取り戻すと、目の前に見知らぬ女性と、3年前に亡くなったはずのエージェントがいた。拷問が開始されようとしたとき、その女性は思わぬ行動に出る。


この映画の僕の感想はこちらです。


 今回の『ローグ・ネイション』、ネットの感想ではえらく評判が良くて、正直、「これは、ステマか?」とか疑っていました。
 だって、『ミッション・インポッシブル』なんて、どう作っても、マンネリにしかならないんじゃない?

 
 でもまあ、ものは試しというか、夏休みの宿題をこなすようなつもりで、観たんですよ。
 観て驚きました。
 いやあ、これは確かに良い映画だ。
 ものすごく感動する、とか「泣ける」というような映画ではなく、「アクション映画、スパイ映画としての面白さ」を徹底的に追求した傑作だと思います。
 観終えたあと、『スパイ大作戦』のテーマを小声で口ずさみながら車に乗り、爆発物が仕掛けられてないだろうな、なんて思ってしまう自分に苦笑しながら、意気揚々と家に帰れる幸せ。

 この映画のおかげで、今後のアクション映画のハードルがひとつ高くなった、そんな気がします。




第1位 スター・ウォーズ/フォースの覚醒

あらすじ
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。
第2デス・スターが破壊されたエンドアの戦いから約30年後。最後のジェダイであったルーク・スカイウォーカーが姿を消して以降、銀河帝国の残党により「ファースト・オーダー」と呼ばれる組織が結成され、再び銀河に脅威をもたらしていた。ルークの双子の妹、レイア・オーガナ将軍は独自の軍事組織「レジスタンス」を結成し、新共和国の支援の下、ファースト・オーダーに立ち向かうためにルークを探していた。


この映画の僕の感想はこちらです。


 ☆4つなのですけど、いろいろと「言いたいこと」はあるのですけど……
 観てから時間が経っていない、というバイアスは承知のうえで、やはり、「2015年にいちばん印象深かった映画」はこれかな、と。



【総括】
今年は、バリエーション豊かというか、けっこう振れ幅が大きい年だったかな、と。
この5作品の他にも『イミテーション・ゲーム』とか『テッド2』とか、好みの作品がたくさんあった一方で、『進撃の巨人』『ギャラクシー街道』という「問題作」もありました。



参考リンク:映画『ギャラクシー街道』感想(琥珀色の戯言)


あと、「続編」が多かったのですが、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』や『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のように豪華キャストで鳴り物入りで登場したものの期待ハズレだった作品もあれば、『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』のように「オワコン」だと思っていたものが、見事に蘇ったものもありました。

1位の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は「革新」よりも「長年のファンへの目配り」を徹底して成功したのですが、観る側としては「ヒット映画の同じような続編」というものに、ちょっと食傷気味ではあります。

昨年の「映画ベスト」で、

なんとなく、「過去の評価が固まっている名作を実写映画化する公式」みたいなのができあがりつつあって、それは、「とんでもない実写化」が無くなってきた、という意味では嬉しいのだけれど、それがパターン化されつつあることに、一抹の寂しさもあるのです。

と書いたのですが、今年はほんと『進撃の巨人』とか『バクマン』とか、良くも悪くも、そういう「ヒットの公式」のマンネリ化から抜け出そう、という作品もありました。


今年の最優秀主演男優賞は、ハリソン・フォードさんに、そして、助演男優賞は、チューバッカさんに差し上げたい。
(ところで、チューバッカは「男性」なのか?)

主演女優賞は、百田夏菜子さんに。


こうしてみると、僕は年々「行間を読ませる」映画に魅力を感じるようになってきているみたいです。
あと、昔はものすごく苦手だった「青春モノ」とか「家族モノ」を素直に観られるようになってきた。
包容力が高まったのか、年齢のせいなのか……


観る本数は、来年も「頑張ってもこのくらいの数」になると思われます。
毎回あんまり面白みのないチョイスになってしまって、申し訳ありませんが、ほぼ読書感想ばかりになってしまったこのブログで、映画の感想を書くのは、僕にとってはけっこう気分転換になっているので、来年も時々やらせてください。

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