琥珀色の戯言

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【読書感想】督促OL 奮闘日記 ちょっとためになるお金の話 ☆☆☆

内容紹介
もっと賢くお金を借りよう!「督促OL」待望の第二弾!!


なんと約5人に1人がキャッシングする日本。困ったり損することにならないよう、お金について優しく解説。業界裏話的4コマ満載!


 コールセンターで督促の仕事をしているOLさんが書いた、「借金の現場」についての本。
 とはいっても、そんな重苦しい話じゃないんですけどね。
 あくまでも電話での督促、コールセンターでのやりとりなので。
 それに、「身バレ」しているみたいなので、あまり生々しい話は書けないし、「借金は絶対にしないほうがいいですよ」とも言えないだろうし(そもそも、借金する人がいなくなったら(ならないだろうけど)、督促の仕事はなくなっちゃいますし)。


 ということで、読んでも不快になったり、怖くなったりすることもほとんどない、「ちょっとためになる、お金の話」。
 書かれていることは、「基本中の基本」なのですが、実際のところ、「リボ払いの支払い総額を計算せずに、1回の支払い額が少ないということで、無造作にリボ払いにしている人」は、少なからずいるわけで。

 では回収のしくみはどうなっているのでしょうか。もちろん会社や部署などによってかなり違うので、以下は大まかな回収のイメージとしてとらえてみてください。
 まずは「初期」の延滞。引き落とし日から1~2ヶ月の延滞を初期延滞とか、会社によっては初期未収と呼ぶところも多いです。未収1とか1バケなんて呼んでいるところもあります(バケはバケツのことらしいです。理由は分かりませんが……)。
 ちなみに初期の延滞率は全体の約20%、お客さまの5人に1人は延滞する計算になります。でもそのほとんどが、たまたま銀行口座に残高がなくて引き落としができなかったとか、うっかり忘れていたお客さまなので、遅れてもすぐに入金してくれます、
 初期の延滞の部署で担当する期間が過ぎると、今度は中期の延滞を担当する部署へ移管になります。だいたいここに来るまでに、延滞したお客さまのうちの9割以上が入金になります。でもその分、中期延滞に移ると、なかなか手ごわいお客さまも多くなります。

 5人に1人は延滞しちゃうのか……
 そりゃ、コールセンターも大変だ。
 この本を読んでいると、「借金というのは、本当に身近なものなのだ」ということがよくわかります。
 そもそも、家や車の「ローン」だって借金ですしね。
 本当に借金をせずに生活できる人というのは、少なくともいまの日本では、ほとんどいない。


 この本のなかで、「友人に貸したお金の督促テクニック」の話が出てきます。
 「友達とは、お金の貸し借りはしない」という人は多いと思います。
 基本的には僕もそうです。
 でも、「お金貸してくれない?」というような直接的な「借金」ではなくても、「お金の催促」をしなければならない状況って、あるんですよね。

 たとえ少額だったとしても、友達同士のお金のやり取りには抵抗があるという人も多いと思います。だけど社会人をしていると、借金でなくてもお金の請求をしなければいけないこともあります。たとえば飲み会の代金の集金などです。
 飲み会の幹事は出席者全員からお金を集めなければいけないけど、酔っ払ってうっかり代金を支払わずに帰ってしまった人がいると、後日改めて「払って」と声をかけるのは気が引けるものですよね。
 そういうときは、「支払って!」ではなく「何日だったら支払える?」とズバリ日付で聞くのがおススメです。そうすれば、角が立たずに支払いのお願いをすることができます。
 人間の脳は疑問を投げかけられると、その瞬間から無意識に答えを考え出してしまうのだそうです。そこで、要求するのではなく質問をする。すると相手の脳は自然に「何日だったら支払えるかな?」と考え出してしまうというわけです。

 なるほどなあ、と、知り合いにこういうお金の催促をするのが苦手な僕は、感心してしまいました。
 大概の場合は、こちらが切り出しにくいと思っているだけで、言えば「ごめん、忘れてた」って、申し訳なさそうに、その場で払ってくれるんですけどね。


 著者は「男性に借金があるかどうかを見抜くポイント」について、この3つを挙げています。
(1)洋服の単価が高い
(2)玄関に靴が散乱している
(3)しつけられないペットを飼っている


「初めて彼氏の家に行ったときに、玄関に靴が溢れていたら、即リターン!」
 いやまあ、そんな関係になる前に見抜けよ……と言いたいところですが、これだけ多くの人が借金している社会だけれど、実際、「いかにも!」って人を覗けば、誰が多重債務者かなんて、外見だけではなかなかわかりません。


 あと、ネットの動画サービスの料金が口座から引き落とせない、というケースが最近は多いそうです。
 たいした額じゃないだけに、つい興味本位で入ってしまって、いつのまにか忘れてしまっている。
 著者のコールセンターでは「動画サービスの解約のしかた」まで教えてくれるそうです。
 「1時間に60本の電話」とかのノルマのなかで、よくやるなあ。

 コールセンターをはじめとする信販会社の従業員は、お客さまが支払う利息やカードの手数料からお給料をいただいています。だから、延滞によってカードが使えなくなってしまうのは収入源を絶たれるようなものですから大変な痛手です。そのため、お客さんの延滞をなんとか食い止めるべく、私たちも少しではありますが、救済手段を取れる権限を持っています。
 たとえば支払額の減額や、支払日の延長。これも会社によって規定が違いますし、すべてのお客さまに行うことはできないなど限界があります。それでも、私たちと電話でお話いしいただいて、遅れた理由や入金できる予定などを聞かせていただければ、こういった手段を提案することもできるのです。


 現実問題として、コールセンターの人に罵声を浴びせても状況が改善されることはないので、相談してみても良いんじゃないかな、と思うのです。
 少なくとも、それで、今より状況が悪くなることはないのだから。
 5人に1人は初期延滞してしまうくらいなのだから、救済手段もいろいろあるみたいですよ。
 「借りなくてすむ」のが、いちばん良いのは間違いないんだけれども。


督促OL 修行日記 (文春文庫)

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