琥珀色の戯言

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【映画感想】SCOOP! ☆☆☆

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あらすじ
写真週刊誌「SCOOP!」に所属し、数々のスクープ写真を撮ってきたカメラマンの都城静(福山雅治)。しかし、今ではギャンブルに溺れている上に借金に追われつつ、フリーランスのパパラッチとして生活していた。そんな中、「SCOOP!」に配属されてきた新人記者・行川野火(二階堂ふみ)とタッグを組むことに。情報屋のチャラ源(リリー・フランキー)からのネタと場数を踏んできて培ったベテランならではの勘を武器に次々とスクープをものにする静たちだったが、やがて大きな事件に関わることになり……。


scoop-movie.jp


2016年17作目の映画館での観賞。
三連休初日の土曜日の午前9時からの回で、観客は僕も含めて5人でした。


嫌々ながら、写真週刊誌に新人記者としてやってきた行川野火(二階堂ふみ)。
元は報道のエースだったにもかかわらず、あるきっかけでスキャンダルを追う「パパラッチ」として生きていくことになったカメラマン・都城静(福山雅治)。
都城は、野火の「教育係」をおしつけられ、ふたりは衝突しながらも仕事を一緒にしていくのですが……


なんだか、ちょっと懐かしい、バディものの刑事ドラマみたいだなあ、と思いながら観ていました。
あの福山雅治が、いきなり車の中で……というシーンからはじまり、ちょっと面喰らってしまうのです(というか、この映画PG12で本当に良いのだろうか……映像というより、内容的にちょっと子ども向きではないような気がします)。
物語の前半、静と野火が、さまざまな手段を使ってスクープ写真をモノにしていく場面は、日頃、写真週刊誌にあまり好感を持っていない僕も、けっこう痛快だな、と思いながら観ていました。
結局のところ、世の中にはスキャンダルが大好きな人が少なからずいて(僕もそのひとりなのですが)、「ゴキブリ」とか言われながらも、彼らが撮った写真には大きな価値があるのです。
ほんと、有名人って大変だな、としか言いようがないのだけれど。


ストーリー的には、「写真週刊誌の世界を題材にしたバディもの」として、まさに王道なのですが、福山雅治さんが演じていると、パパラッチという仕事に対する悪いイメージが少し改善されているというよりは、「やっぱり、福山雅治は何をやってもカッコいいな」という結論になってしまうんですよね。
相手役の二階堂ふみさん、最初は「なんか福山雅治さんの相手役としては、華が無いというか、今ひとつだなあ」って思いながら観ていました。
ところが、ストーリーが進んでいくにつれて、記者としても、人としても、どんどん「成熟」してくるのがわかるのです。
この女優さん、けっこうすごいな。
吉田羊さんは、吉田さんらしい役を吉田さんらしく演じていて、リリー・フランキーさんは、「ああ、またとぼけた感じの役なんだ、ほんと、今回も『いかにもリリー・フランキーがやりそうな役をやっているリリーさん』だねえ」などと半ば呆れていたのですが……


この映画、娯楽作品としては、けっこうよくできているんですよね。
ストーリーの伏線も、「静にここまでのことをさせることになった『事件』って、何だったの?」という大きな疑問が残るものの、けっこううまく回収されているんですよね。
大根仁監督、本当に巧い。
ロバート・キャパのあれかよ、カメラマンの「目標」としては、ベタだなあ……ベタすぎない?と思いきや……
(不謹慎ながら、あの掲載された写真には、「キャパ!」って、ちょっと笑ってしまいました。笑うところじゃないのかもしれないけどさ)
この映画の場合、前半の「パパラッチ・エンターテインメント」と、後半の「報道とは何か」みたいなものが完全に分断されているというか、「なんで突然、そんな話になるの? 観客の感動ポイントを刺激しようとしすぎて、かえってシラケてしまったんじゃないのかな……」と言いたくはなったんですよね。
まあ、それも福山雅治がやるから、ギリギリ許されるのかもしれないけれども。
二階堂ふみさんの「サービスシーン」がやたらと長くて、「これ、何?妄想?」とも感じたし。


多少辻褄は合わなくても、印象的なシーンをつないでいくほうが、映画としては心に残る、というのはあるのかもしれませんが、「こういうラストにしたい」というところからはじまっていて、たぶん、そこにつなげるためのシナリオが、うまくでき上がらなかったのだろうなあ、って。
ただ、「ベタで辻褄が合わない話」でも、福山雅治二階堂ふみが演じれば、それなりに観られる映画になるのだな、と感心してしまったのも事実です。
あと、この映画って、カップルとかだと、観終えたあと、たぶん、ものすごくムラッとするのではなかろうか。
スクリーンからすごくフェロモンが出ていて、なんだか悶々としてしまいました。


福山雅治ファンの人は「こんな役もできるんだ!」と感心できると思います。
そうでない人にとっては、「映画館で観るほどではないけれど、レンタルDVDで観るとお得感がある」ってところかな。
つまらなくはないし、『君の名は』だと、ちょっと若すぎるよな、ってカップルには、ちょうど良い映画かもしれません。