琥珀色の戯言

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【読書感想】禁断の現場に行ってきた! ! ☆☆☆☆☆


禁断の現場に行ってきた! !

禁断の現場に行ってきた! !

内容紹介
命がけ潜入体験ルポ! ジャーナリズムの真髄がここにある! ?ジャンクビジネス・ゴミ屋敷・物乞い・断食・闇畑・地下遺構・メンズエステ・悪い病院・事故物件・ゲテモノ食・殺人事件・軍艦島・ドヤ街・新興宗教・隣の晩御飯・北朝鮮・富士の樹海から韓国スラム街まで危険度MAX の現場だらけ! 実録マンガ64 ページ&ルポ51 本による衝撃のルポルタージュ!


 まあ、こういう「実録もの」「潜入もの」って、たくさんあるものなあ。
 煽るだけ煽って、中身は大したことないものがほとんどだし。
 ああ、最初は青木ヶ原樹海?ベタだねえほんと。
 そう簡単に自殺した人の遺体なんて、見つかるわけないじゃん……



 バーン!!(遺体写真(もちろんモザイクかかってます))


 み、見つかるのか……ホントかよ……
 

 ババーン!!(さらにもう一体)


 ほんと、密度が濃すぎますこの本。
 著者の「村田らむ」さんが、これまでやってきた実録もの、潜入体験ルポのベスト版、という感じなのですが、読んでいると、昆虫とか犬とか食べている項では「ああ、このときはけっこうユルい取材だったんだな」と思えてくるくらい、感覚が麻痺してくるんですよ。

 僕はイラストレーターから、なんのツテもなくライターになった。そのためコネクションもなく取材できる樹海は都合がよかったのだ。
(同じ理由で、ホームレス取材もしたのだ)

 すべてこの世は、カネとコネ。
 ブロガーからライターへ、なんていう話も耳にしますが、コネなしで生き残っていくためには、ここまでやらなければならないのか……(半分くらいは、村田さんの趣味になってそうですけど)


 そもそも、欄外に3行くらいで書かれている「禁断のこぼれルポ」さえ、それだけで1本書けるんじゃないか、というくらいの濃厚さです。

シカ
 某県の鹿を捕まえて食べようということになった。ワゴン車でウロウロしていたら警察がやってきて僕らが捕まった。「今吐かなかったら、凶器準備集合罪で出られんようにしてやるぞ!!」と鼓膜が破れるくらい大声で怒鳴られた。

 こんな冗談みたいなことを、本気でやり続けている人なんですよ。
 実際に公園でハトを捕まえて食べた話も出てきます。
 「ヤバい病院」を実際に受診したり(「保険証あるの?珍しいね」なんて言われてる!)、上野で物乞いをやってみたり、怪しげな宗教団体に潜入して、「フリーセックス教団」のなかで「モテ格差」を実感したり、「謎の団体メンヘル友の会」に参加してみたり。


 僕にとって最もインパクトがあったのは、「汚部屋清掃日記」でした。
 これは、『孫の手』というゴミ屋敷清掃業者で、村田さんが実際に働いた体験のルポなのですが、「汚部屋族」の僕でさえ、うわぁ……と絶句するような現場の数々。

 ゴミを掘っていくと、やたらとお茶のペットボトルが出てくる。しかも中身が入っている。お茶以外のペットボトルも、茶色い液体が入っている……。これは、まさか? とキャップを外してみると、脳天を突き刺すアンモニア臭!!
「ションベンが入っとるんか!! ションペットやな!!」
 と社長。ションペットという新しい単語が生まれた数秒後、ションペットを窓からどんどん庭に投げていったが、終わりがない。結局数百本のションペットが出てきた!!
 ゴミ屋敷のゴミは、産業廃棄物の処理場で処理していた。だから、分別はしなくて良いのだが(分別は処理場がしてくれる)、ゴミの中に水分のあるものがあってはいけないのだ。ということは中身を抜かなければならない。
 途中までドブに捨てていったのだが、終わりがない。結局、家主に後から、中身を抜いてもらうことになった。
 ションペットがある部屋はたまに出てきた。トイレがないとか、トイレが壊れているとかなら気持ちもわかるのだけれど、そういうわけじゃない。ネット通信のゲームにハマって、トイレに行く時間がなかった……という人もいるみたいだが、それなら後から捨てれば良い。これは僕の考えなのだけれど、一種の性癖なんじゃないかな? と思う。オシッコをボトルにためること自体が快感なんじゃないかな……と。


 そんな人がいるのか……しかも、「たまに」。
 この話を読んでいて、ウエッ、となるのと同時に、レオナルド・ディカプリオが主演していた『アビエイター』という映画のことを思い出しました。変人だった大富豪ハワード・ヒューズを描いた作品なのですが、そのなかで、ヒューズが汚物を溜め込んだ部屋で、ずっと独り言をブツブツ言っているシーンがあったんですよね。そこだけ、鮮明に覚えているんだよなあ。
 それは「病気」なのではないか、と思うのだけれど、村田さんによると、清掃を依頼してくる人には、そこらへんにいそうな若い女性もたくさんいた、とのことです。
 「日常」と「異界」は、身近なところで繋がっているのです。


 こういう「アングラ潜入体験もの」好きには、たまらない一冊だと思います。
 逆に、グロ系、アングラものが苦手な人は、手を出さないことをおすすめします。
(☆5つは、あくまでも「こういうのが好きな人には」ということで)
 あと、シャコが好きな人も、読まないほうがいいですよ(ちゃんと注意しましたからね!)


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