- 作者: たかぎなおこ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/11/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Kindle版もあります。
おまつり万歳! 日本全国、四季のまつりとご当地ごはん (文春e-book)
- 作者: たかぎなおこ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/11/18
- メディア: Kindle版
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内容紹介
ドンドンヒャララ ワッショイワッショイ! 楽しくおいしいお祭りに出かけてきました~! 絶景のお祭り、伝統のお祭り、かわいいお祭り、踊りまくりのお祭り……。春夏秋冬、近所のお祭りから旅先でのお祭りまで、日本全国のお祭りに行って、景色やグルメも楽しみつくした。大盛り上がりのお祭りコミックエッセイ!
●こんなお祭りに行ってきました! 小原四季桜まつり(愛知県豊田市小原町)/ふるさと祭り 東京(東京都文京区)/弘前さくらまつり(青森県弘前市)/初午まつり火伏せの虎舞(宮城県加美郡加美町)/大四日市まつり(三重県四日市市)/柳井金魚ちょうちん祭り(山口県柳井市)/盆踊り大会(全国)/龍勢まつり(埼玉県秩父市)/鬼鎮神社の節分祭(埼玉県比企郡嵐山町)/犬っこまつり(秋田県湯沢市)/横手の雪まつり(秋田県横手市)
日本には本当にいろんな「おまつり」があって、それを楽しみにしている人が大勢いるんだなあ、と感心しながら読みました。
僕は「転勤族」の子供で、人が多いところが苦手なので、「おまつり」って、あんまり思い入れがないというか、正直、あまり好きじゃないんですよね。
休日に車を運転していると、小さな「地元のおまつり」に遭遇することがあるのですが、それに動員されている子供たちをみるたびに、「休みの日に大人の都合でこんなことやらされて、ちょっとかわいそうだよなあ」とか考えてしまうのです。
『君の名は。』の宮水三葉さんをみているような感じ、と言えばいいのか。
三葉さんも含めて、大人になってしまえば、自分がイヤだったことでも、「ここの伝統なんだから」と子供たちに言うようになるのかな、とも思うのですけど。
ただ、このコミックエッセイは、そんなひねくれた僕も、けっこう素直に読めました。
なんのかんの言っても、世の中にはこういう「おまつり」を楽しんでいる人が少なくないんだな、と驚いたんですよね。
たかぎさんの地元、三重県四日市市の「大四日市まつり」の「首がのびる大入道」の話を読みながら、こういう「ゆるさ」みたいなのを面白がるのも「おまつり」の醍醐味なのかもしれないな、とか考えてみたり。
これを読んでいて驚いたのが「盆踊り」の世界の奥深さでした。
僕は近くの公園から盆踊りの音楽が流れてくると、遠回りしたくなりますし、「人前で踊るなんて恥ずかしい、しかも、この御時世に『盆踊り』だよ?」とか思うのですが、このエッセイに描かれている盆踊りの絵や写真をみると、すごい数の人、老若男女が、いま、2016年に「盆踊り」に参加しているのです。
踊り方も「適当にやっているだけ」だと思い込んでいたのですが、ちゃんとした「踊り方」があって、「盆踊り講習会」なんていうのも存在しているそうです。
「講習」まで受けてやるものなのか……
でも、読んでいると、けっこう楽しそうではあるんですよね。
高齢者だけのものではないみたいだし。
僕自身がやるかどうかは別として、なんでも先入観で判断してはいけないなあ、と。
毎回、たかぎなおこさんのコミックエッセイを読んでいて思うのは、コマあたりの情報量が、同業他者(というか、他のコミックエッセイの作家さん)に比べて、圧倒的に多い、ということなのです。
最近、なんでもコミックエッセイになっているなあ、と書店を眺めていて感じるのですが、その多くは「情報量の少なさをマンガで引き延ばしている」のですよね。
なんか「隙間」が多いなあ、と。
それに比べて、たかぎさんの絵は丁寧に描きこまれていて、「絵に情報を凝縮している」のが伝わってきます。
これだけ、コミックエッセイが乱立し、いろんな人が出たり入ったりしているなかで、長年人気を維持しているのには、それだけの理由があるのです。
「おまつり」というのは、やはり「絵になる」のは事実ですし。
『柳井金魚ちょうちん祭り』の絵とか、見ていて楽しいよなあ。
ちなみに、たかぎさん、2015年の秋に結婚されたんですね。
交際している相手がいることはずっとほのめかされていたのですが、「独身が商売道具のひとつ」みたいになってしまっているのではないか、と思っていたので、少し安心(?)しました。