琥珀色の戯言

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【読書感想】蘇るファミコン必勝本 ☆☆☆☆

蘇るファミコン必勝本 (TJMOOK)

蘇るファミコン必勝本 (TJMOOK)

内容紹介
ファミコン人気絶頂期の1980年代後半から約30年経った今でも、マニアたちの間ではファミコンへの情熱は色褪せることなく、むしろ人気は高まっています。
1986年~1990年まで100号続いた『ファミコン必勝本』(宝島社)を振り返り、当時の表紙、誌面、裏技解説、懐かしのソフトなどを紹介。


 最近は僕が子供の頃に夢中になっていた、ファミコン雑誌の復刻・復刊したものの出版が相次いでいます。
 ファミコンミニの大ヒットの際には『ファミマガ』や『ファミ通』も収録ソフトを紹介したものを出していました。
 「ファミコン世代」が僕くらいの年齢、40代から50代くらいになってきて、自分の子供がテレビゲームをやっているのを見ながら、あらためて自分のゲーマー時代を懐かしんでいる、というのもあるのかもしれませんね。
 あと、当時のゲーム雑誌で若手編集者、ライターとして活躍していた人が、ある程度出版社内で権限を持つようになったという可能性もありそうです。


 『ファミコン必勝本』の創刊は1986年3月。
 いまから31年前です。
 当時は、徳間書店の『ファミリーコンピュータMagazine』(ファミマガ)やアスキーの『ファミコン通信』、角川書店の『マル勝ファミコン』と並んで、「四大ファミコン雑誌』と呼ばれていました。
 『ファミコン必勝本』というのは、これらの雑誌のなかで、宝島社がつくっていたこともあって、けっこうサブカルチャー色が強いイメージがあるんですよね。
 

 今回、この『復刻版』をみて、「これこれ!」と思ったのは、「スーパーマリオブラザーズ256ワールド」でした。
 そうそう、『ファミコン必勝本』発だったんだよなあ。
 これをきっかけに、『ファミコン必勝本』は、認知度を上げたのですが、メジャーになってしまったことは、『必勝本』サイドにとっても、意外ではあったようです。

 そうしたアングラなネタも取り入れながら、読者を増やしてきた『ファミコン必勝本』が、『ファミマガ』『ファミ通』『マルカツ』と並んで”4大ファミコン誌”と呼ばれるようになったのは、初期から読んでいた読者にとっては少々違和感があったかもしれない。どちらかといえば、アングラネタを扱う『ゲームボーイ』やメーカーと喧嘩が絶えなかった『ハイスコア』に近い立ち位置だったはず。なにせ、『ファミマガ』や『ファミ通』はこうしたバグ技は禁じ手にして、決して掲載しなかったからだ。


 当時は、電源を入れたままカセットを抜き差しする、というのはいかがなものか、とかなり賛否が分かれていて、『ファミマガ』などは、「こういうハードが壊れる可能性があるバグ技は扱わない」というスタンスでした。
 それにあえて踏み込むのが、宝島社っぽいよなあ。
 僕の知人にも、これでファミコンを壊してしまったヤツがいたのを思い出します。
 それでも、ダメだと言われればやってみたくなるのが、人間であり、子供ってものではありますよね。


 昔の復刻記事がたくさん収録されているのですが、懐かしのマイコンゲーム『α(アルファ)』の紹介記事が見開き2ページまるごとおさめられていたり(そろそろ、『ログイン』とか『ベーマガ』とか『ポプコム』とかの復刻も出てほしいよなあ。僕の老眼がこれ以上進まないうちに)、若き日の山下章さんが『ポケモン』の田尻智さんと対談していたりと、盛りだくさんです。
 当時の『必勝本』は、けっこうマニアックというか、クリエイター寄りの記事がけっこう多かった。


 堀井雄二さんが、1988年1月のインタビューのなかで、こんな話をされています。

 あと、最近のゲームで思うんだけど、マルチエンディングってね、せっかく終わったのに別の終わりがあると思うとね、気分がスッキリしないような気がしてあまり好きじゃないんですよ。だから、やっぱり中間はいくらあってもいいから、終わりはひとつであって欲しいとゆー気がするね。

 この「ゆー気がする」という表記だけでも、「時代を感じる」のですけど、「堀井さん、『ドラクエ8』は……」とか、つい読みながらツッコミを入れてしまいました。
 まあ、年とともに人は変わるし、いろんな「大人の事情」みたいなものもありますよね。
 

 記念すべき創刊号最初の特集は、『ゼルダの伝説』の攻略。キャッチに「2大ディスクゲームに勝つ」と書かれているが、『ゼルダの伝説』の記事しかない。

 今から考えると、当時のゲーム雑誌の編集や校正って、本当に「ゆるかった」よなあ。
 『ベーマガマイコンBASICマガジン)』とか、誤植のお詫びページが、名物みたいになっていたし。
 一生懸命打ち込んだプログラムが間違っていて動かなかったりすると、悲劇としか言いようがないのだけれど、当時は、それも含めてマイコン、って感じではありました。
 テレビゲーム機マイコンに触っているだけ、広告をみているだけでも、けっこう幸せな時代だった。


 あの「ごいんきょ」さんがまだ宝島社に在籍していたり、ほんのちょっとですが、ベニー松山さんの『隣り合わせの灰と青春』が紹介されていたり(これ、『必勝本』に連載されていたのです)、読んでいると、30年前にタイムスリップしたような気がしてきます。
 

 万人向けではないけれど、僕にとっては、思い出がたくさん詰まった一冊でした。
 

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