琥珀色の戯言

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【映画感想】パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 ☆☆☆☆

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ヘンリー(ブレントン・スウェイツ)は、過去に伝説の海賊ジャック・スパロウジョニー・デップ)と旅をした父のウィル・ターナーオーランド・ブルーム)の呪われた運命を、何とかしたいと考えていた。そこで海にまつわる伝説を調査したところ、呪いを解くには伝説の秘宝“ポセイドンの槍”が必要なことがわかる。その後、英国軍の水兵になったヘンリーが船に乗っていたところ、“海の死神”サラザールハビエル・バルデム)の襲撃に遭い……。

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 2017年の映画館での16作目。平日の夕方からの回で、観客は僕も含めて7人でした。
 先週観た『ハックソー・リッジ』も7人だったな、そういえば。
 超話題作だし、もっと混んでいるかと思ったけれど、2D字幕版だからなのか、月曜日から映画を観る人が少ないのか、レイトショーの一つ前、という時間のためなのか。


 とりあえず、「いつもの『パイレーツ・オブ・カリビアン』でした。
 ジャック・スパロウの登場の仕方もなかなか凝っていて、思わずニヤニヤしてしまい、あのテーマ曲が」流れてくると嬉しくなってしまう。
 相変わらず、ストーリーはかなり唐突かつご都合主義ではあるのですが、「それが『パイレーツ・オブ・カリビアン』なんだよ!」って言われれば、そうですよね、と首肯せざるをえません。
 なんでそんなことするんだよ、ジャック・スパロウ!って思うところも少なからずあるんだけれど、「そういうこと」をあえてやるのがジャック・スパロウなわけで。


 スパロウの動きやアクションの仕掛けの面白さに、ところどころでクスリと笑ってしまうのですが、昨日子供たちと頑張って遊んだからなのか、観ていて何度か寝落ちしてしまいました。
 海の場面が多いのと海賊たちが主役なので、基本的に画面の色彩は暗めだし、ストーリー的には、なんかゴチャゴチャと敵味方が入り乱れていて、ご都合主義的な「衝撃の事実」が明かされ、強いアイテムの力で問題解決、という「いつものパイレーツ・オブ・カリビアン」なんですよね。
 「いやこれ、面白いはずだろ、けっこう楽しみにしていたはずじゃないのか自分!」と言い聞かせながら、何度も意識が遠のいてしまったのが悲しい。


 ストーリーよりも、世界観やアクションや映像を楽しむ映画ではあるんですよね、このシリーズ。
 今作は、ストーリーの整合性とかシリーズ内での時間の経過とか、「どうなってるんだ?」と悩みはじめるとキリがありません。
 たぶん、そういうところにこだわらずに、トリッキーなアクションやダイナミックな映像を「うわっ!」って言いながら楽しむのが「この映画のお得な観方」だと思います。


 このシリーズ、第一作は、こんなディズニーの名義貸し映画なんて、面白くないよなあ、と思っていたら予想よりずっと楽しくて驚いたのですが、二作目以降は、こちらがハードルを上げてしまって、「まあ、こんなものだよね……」という気持ちでエンドロールを眺めています。
 ただ、今回も中盤までは「どの作品も似たようなもんだよな……」とやや退屈していたのだけれど、最後まで観ると、かなりベタな展開ではあるものの、なんとなく「満足」できるのです。
 夏休みに家族で観る映画って、たぶん、こういう作品が良いのだろうなあ。うちも息子たちがもう少し大きくなったら、一緒に観たい。見せても安心だし。
「プロ?」とか、ちょっと子供たちへの説明に困りそうな場面もあることはあるんですが。


 ジョニー・デップジャック・スパロウとメインテーマが流れてさえいれば、なんとなく満足できる映画ではあるんですよ。
 映画というより、イベントとかアトラクションだよね、これは。
 どんどん、あのオープニングのストーリー説明からタイトルまで観れば満足な『スター・ウォーズ』化してきているのかも。
 新作の内容云々ではなくて、新作が完成し、その場に居合わせることができることを喜ぶ、そんな感じ。


 今作は、サブタイトルが『最後の海賊』で、シリーズ最終作なのかと思いましたし、なんとなく、大団円な感じの終わりではあったのです。
 でも、ディズニーは基本的に収益が見込めるかぎりはシリーズものの続編をつくっていく、というコンテンツビジネスをやっているので、たぶん、ジョニー・デップが投げ出さないかぎり、続いていくのだろうと思われます。
 そもそも、原題は『最後の海賊』ではなくて、"PIRATES OF THE CARIBBEAN: DEAD MEN TELL NO TALES(死人に口なし)"なんですよね。
 観終えてしばらく「最後の海賊」って、結局、誰のことだったのだろう、と悩んでいた自分が哀しい。

 
 このシリーズ、主要キャストが「もう演じたくない」と揉めることもなく、「子供たちに愛されるジャック・スパロウ」をジョニー・デップも楽しんでいるようにみえるのは、好感が持てるのです。
 今作では、「ジャック・スパロウの出番」はかなり少なかったんですけどね。
 僕としては、もうちょっとシンプルなストーリーで、ジャック・スパロウを見せてほしいのだけれど、こういうのって、スケールダウンするという方向には行きづらいのだろうなあ。


パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊 (宝島社文庫)

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  • 出版社/メーカー: 宝島社
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パイレーツ・オブ・カリビアン / 最後の海賊 オリジナル・サウンドトラック

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