琥珀色の戯言

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ある中堅サイトの光芒(5)〜プロジェクトFの再生〜

 どんなに宣伝してもほとんどリアクションもなく、掲示板は閑古鳥(今から考えたら、アダルトサイトの業者にすら「書き込む価値なし」と判断されていたのだと思う。悲惨だ…)の状態だった「プロジェクトF」の命運は、まさに風前の灯火だった。
 たまに思い出したように更新したが、だからといって何かが起こるわけでもない。
 8月中旬に開設したサイトのアクセス数は、12月の終わりに、やっと合計1000を超えた。しかも、カウンターはリロードも数えられるタイプだったから、おそらく、自分で回したのが半分以上だったと思う。
 まさに、典型的な泡沫サイトだった。

 このまま閉鎖しようか、と思っていたのだが、ちょうど、2001年の正月は、オンコールで外にも出られず、比較的時間ができる状況だった。そして、僕はなんとなく自分のサイトをいじってみようと思い立ったのだ。

 まず、アクセスアップ関連のサイトを見て「READ ME!」のことを知った。
 HPビルダー頼みの僕にとっては、アイコンを設置することすら至難だったが、なんとか設置することができた。
 もっとも、初期のころは1日10アクセスあったら万々歳だったので、リドミで自分のサイトの順番を見つけるのも一苦労だったけど。
 それは、今までに自分でカウンターを回していて「誰か来ているつもり」になていた僕にとっては、悲しく情けない現実だった。
 それに、末端サイトにとっては、リドミはアクセス向上にはつながらない。
 「新作リスト」に載っている間、ちょっと効果があるくらいだ。

 あと、いろんなサイト紹介のメールマガジンに投稿してみたのだが、その効果もよくわからなかった。あまりにたくさんのメルマガがありすぎて、自分のサイトがいつどこに載ったか、本当に載ったかすらわからなかったし、効果を実感したことは無かったように思う。
 結局、何万部と言っても、宣伝したい人だけが見るメールマガジンでの広告には、あまり意味がない、というのが結論だった。

 それは、1月1日、元旦のことだった。
 今のこのサイトでは、決定的にコンテンツが弱い、ということにようやく気がついた僕は、サイトで新しいコンテンツを立ち上げることにした。
 それが、「活字中毒。」だった。
 しかし、これはあくまでも正月に思いつきではじめたもので(だから、タイトルだって適当じゃないですか、実際)、「その日自分が読んだ本のことを記録する」という趣旨のものだった。僕は活字が大好きなので、内容に触れなくても、実際に読んだ本のタイトルとかページ数だけでも記録したら面白いんじゃないかな、と思ったのだ。
 しかし、このコンテンツは、後にどんどん変容していくことになる。
 当初の「内容には触れず、本のタイトルやページ数だけを列挙」というスタイルから、どんどん逸脱していくのだ。

 よく「いいかげんに作ったコンテンツほど流行る」と言われる。
 「プロジェクトF」は、まさにそんな感じだった。
 「活字中毒。」は、後にサイトの看板になったし(というか、今でも看板であり続けている)、「Doctor's Ink」も最初は思いつきだった。

 2002年の1月中旬には、サイトにとってのステップアップのきっかけが訪れた。
 「さるさる日記」の読者の一部に配信される「さるさるマガジン」に「当直日誌」のある日の分が全文掲載されたのだ。

おまけ:掲載されたのは、http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=65759&start=21&log=200201&maxcount=35
の2002年1月12日「うしとみしよぞ」です。

いまから読み返すと、当時の当直日誌は面白い。知り合いには読ませられないけど。
で、この「うしとみしよぞ」って、いかにも「メルマガに全文掲載するのにふさわしい」という豆知識&小ネタ系で、いまさらながら自己嫌悪です。

しかし、これが載ったことによって、「当直日誌」の読者数は激増した。
1日100人以上とか。
あまりに嬉しくて、自分で何回かリロードして「アクセス数ランキング」に載るようにしたくらいだ。

そして、待望の掲示板への知らない人からの書き込みもあった。
なんとなく、自分のサイトがネットに繋がった、そんな感じがした。
もちろん、「当直日誌」のアクセス数は、掲載後しばらくして減っていったが、それでも掲載前は一桁だたのが、常時20〜30アクセス/日くらいはいくようになったのだ。

「プロジェクトF」に流れてくる人も、少しずつ増えだした。
もちろん、リドミで1日10カウントいけば万々歳、という状況が続いてはいたのだけれど。
 それでも、リアクションが出始めたことによって、僕の更新意欲は高まっていった。日記と「活字中毒。」を極力毎日更新するようになったのだ。

そして、「プロジェクトF」に2回目の飛躍の時が近づく。


<次回予告>

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