琥珀色の戯言

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愛犬の医療過誤死?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040510-00000413-yom-soci

うーん、「飼い主の食事管理が悪い」との意見もあるようですが、一般的に糖尿病の発症には食事だけじゃなくて、遺伝的素因とかストレスとかさまざまな要素があり、「糖尿病」=「食べすぎ」というような安易な決め付けは、患者さんにも失礼なのではないかと医者としては思うわけですよ。
もちろんリスクファクターではあるけれど、先天的なインスリン分泌不全の患者さんだっているのだし、キッチリとたくさん食べた人の順番に糖尿病になるわけでもないし。

しかしながら、最近の医療過誤裁判で気になるのは、この裁判長の言うところの「かわいがっていたから精神的苦痛が大きい」という部分で、要するに「飼い主がかわいがっていた犬だから、病院は慰謝料をたくさん払え」ということなのでしょうか。「飼い主の愛情」と「医療ミスなのかどうかの評価」には、何も関連がないと思うのですが。
「医療ミスじゃないけど、飼い主がかわいそうだから病院は慰謝料を払え!」みたいな判決を出されると病院としてはやってられないと思います。
「かわいがっているペット、お断り」とか、「かわいがっている動物は診察料アップ」とか。
(実際は、法律上は「ペットはモノ扱い」なので、思い入れが強ければ価値が高くなる、というような評価をしているらしいです)

先日和歌山毒カレー事件の被害者の方への救急対応で訴えられた病院の話を書きましたが、「(事件に巻き込まれて)被害者がかわいそうだから医療ミス」というようなヘンな情が入って(そりゃ、文句なしに「かわいそう」だと、僕も思うけど)、損害賠償させられたらたまりませんって。
そんなにかわいそうでお金をあげたいなら、病院の名誉と懐を傷つけずに、裁判所が払ってあげたらいかがでしょうか?

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