琥珀色の戯言

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サヨナラ近鉄バファローズ

http://www.nikkansports.com/ns/baseball/f-bb-tp0-040924-0050.html


近鉄」というチームは、物心ついたときから、パ・リーグでは比較的「資金があって経営も安定している有力チーム」だったような記憶があります。
僕が愛する広島カープが日本一になったときの日本シリーズの相手は近鉄で、西本さんが監督をやっていて、あの「江夏の21球」の打者は、近鉄の選手たちだったのですから。
 それと、あの3つ巴の優勝争いになった年、2連勝すれば優勝!という最後のダブルヘッダーを高校の寮のテレビで観ていて、最後の最後に同点になり、もう優勝が無くなった最終回の裏の守備に散っていった選手達の姿は、今でも記憶に残っています。
 僕は近鉄ファンではありませんが、近鉄バファローズの今回の受難に関しては、すごく寂しく感じています。
 たぶん、これは「改革」の1頁めでしかなくて、この痛みを超えていかなければ今のあまりにも偏った野球界は窒息してしまうでしょう。
 でも、やっぱりその「犠牲」になったチームには、なんだかとても申し訳ないような気持ちになるのです。
 カープだって、まさに「他人事じゃない」わけですし。

 僕が今回いちばん印象に残ったのは、近鉄オリックス選手会長の会見で、彼らは人目もはばからず、ボロボロに泣いていました。
 不謹慎な話だけど、僕は内心「野球選手たちは、たいがいみんな巨人とか阪神みたいな人気も金もあるチームに行きたくて、パリーグの選手たちとかは『チームへの愛着』が薄いのではないだろうか?」と考えていたのです。実際に、FAで移籍するスター選手たちは、みんなそういう「動き」をしていましたし。
 もちろん、内心では「これで好きなチームに行ける」と喜んでいる選手だっていないとは限りませんが、それでも、僕が予想していたよりもはるかに大きな「自分のチームへの愛着」を選手達が持っていたということに感動してしまいました。
 タイタニックの上で楽器を演奏しつづけたオーケストラみたいなものかもしれませんが、あんな不誠実なオーナーやなかなか振り向いてくれなかったファンたちにもめげずにプレーし続けた選手たちの姿には、ただ頭が下がります。

 お疲れさまでした、近鉄バファローズ。
 そして、最後まで沈みゆく船の上で演奏を続けた選手たちの新しい航海に幸あれ。

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