琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ふるさと

http://med-legend.com/mt/archives/2005/02/index.html#000699

 うーん、子供のころから引越しが多くて、明確な「ふるさと」を持たない僕としては、「そこまでして三宅島に帰りたいのか?」というのは、「疑問」であると同時に、羨ましい気持ちにもなるのです。
 小学生時代に田舎に引っ越してきたとき、その閉鎖性とか、方言を喋れない人間への白眼視とか、お祭りのときに「神輿をかつぐ場所争いによる刃傷沙汰」なんて話とかに、さんざん辟易させられたものなのですが、それと同時に、そういう「ふるさと自慢」ができる人たちのことを羨ましくも思っていたんですよね。年とともに、「故郷に縛られている人間への反感」よりも「故郷のなさを寂しく思う気持ち」のほうが、強くなってきているような気もします。「故郷しか誇るものがない人間」なんてのは、どうしようもないんだろうけどさ。
 それにしても、3000人のうち、2000人が帰島を望んでいるという数字には、「そんなに多いのか」と驚きました。やっぱり暮らしてみたら都会が便利、だと思う人が多いと予想していたから。でも、「国からの援助が打ち切られたら、島に帰るしかない」という人も多いのかも。
 危険な「ふるさと」に住みたいという気持ちを都市住民が金銭的に支えてあげる必要性があるかどうかは別問題なのかもしれませんが、ああいう「典型的なふるさと」を管理運営していく人たちがいてくれるというのは、全体のバランスからすれば、けっして悪いことではないと思うし、多少お金をかけてもいいような気もします。
 都会人のなかでも好事家は、あの「ふるさと」の美味しいとこ取りができるわけだし。

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