琥珀色の戯言

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連載企画〜僕の中のダービーの記憶<1>

平成6年:優勝馬・ナリタブライアン

1着 8 17 ナリタブライアン 牡3 57 南井 2.25.7
2着 2 4 エアダブリン 牡3 57 岡部 5馬身
3着 3 5 ヤシマソブリン 牡3 57 坂井 2馬身   

 皐月賞を圧勝したナリタブライアン。このダービーは、単勝1.2倍という圧倒的な人気で迎えました。2番人気はNHK杯を勝って復活したナムラコクオーだったのですが、実質的には「ナリタブライアンのためのダービー」だったと記憶しています。
 この時期は、僕はまだ馬券を買わずに純粋にスポーツとして競馬を観ていましたので、このダービーは本当に素直に「ナリタブライアンは強いなあ!」と感嘆しながら最後の直線を見ていました。
 中団からやや前の位置につけたブライアンは、4コーナーですでに先頭に並びかける勢いだったのですが、そこから南井騎手は、なんと大外に進路をとったのです。もちろん外のほうが馬場は良かったのでしょうが、ブライアンの位置取りと脚色なら、あんなに外を回らなくても十分に思えたのですが、東京競馬場の坂を上がってからのブライアンは、他の馬たちが逆噴射しているかのようにグングン伸びて、2着の岡部エアダブリンに5馬身差をつけ、まさに圧勝のゴールでした。
 あとで、南井騎手は「とにかく、不利さえ受けなければ絶対に勝てると思ったので、大外を回りました」と答えていたそうですが、このダービーのブライアンは本当に卑怯なくらい強かったのです。ダービーのレースだけでいえば、僕にとっては「最強のダービー馬」だと今でも思います。というか、ダービーというレースで「安全策」をとって勝った馬なんて、空前絶後なのではないかなあ。
 正直ここまでは「ビワハヤヒデの弟」ってイメージもあったのですが、このダービーの圧勝で、ナリタブライアン時代がやってきたような印象も。
 「弟は大丈夫だ」の菊花賞も凄かったんですけどねえ。

 ナリタブライアンは若くして亡くなってしまい、活躍が期待された産駒も、結果はいまひとつのようです。サンデーサイレンス時代に種牡馬になってしまった不運というのもありますが、あれだけの血統的背景もあったし、ちょっと残念です。
 でも、あのナリタブライアンが強かったレースのインパクトは、ずっと語り継がれることだと思います。

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