琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

Book Baton

「楽しくしてこそ人生!?(http://f16.aaa.livedoor.jp/~wonderss/)」のShinさんからバトンをいただきました。ありがとうございます。

1.持っている本の冊数

自分でもよく把握してはいないのですが、たぶん、実家にある分やマンガも合わせると、2000冊くらいあるのではないでしょうか。前に引越ししたときに生まれてはじめて家の本の一部を処分してブックオフに引き取ってもらったのですが、そのときが確か600冊で2万円くらいで売れたので(というか、その2万円は、なんだかとても寂しかった)。それからしばらく、そのブックオフには僕のものだったらしき本がたくさん並んでいたので、悲しくてしばらく寄り付けませんでした。でもたぶん、3分の1くらいは未読です。これから一生新刊買わなくても、読みきれないくらいあるんですけどねえ。


2.今読みかけの本or読もうと思っている本

綿いっぱいの愛を!

綿いっぱいの愛を!

大槻さんは、エッセイも面白いのですが、日記もすごく面白いです。ちなみにこれはエッセイ集。

教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書

教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書

ここ1ヶ月くらい、ずっと「読みかけ」になっています。斜め読みできないんですよね、この本って。

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

ほとんど既読作品(のはず)の短編集。でも、こうして読んでみると、あらためていろんな発見があるのです。


3.最後に買った本

東京するめクラブ 地球のはぐれ方

東京するめクラブ 地球のはぐれ方

先週本屋さんで見つけて買ったのですけど、けっこう前に出ていたということを今知りました。当直のときに読もうと思って買ったのに、ついつい当直室の「北斗の拳」とか「美味しんぼ」とかを読んでしまって、まだ手付かずです。


4.特別な思い入れがある本(5冊まで)

銀河英雄伝説田中芳樹
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E8%8B%B1%E9%9B%84%E4%BC%9D%E8%AA%AC

もともと「三国志」フリークだったのですが、この小説にはズッポリはまってしまいました。もともと陰険漫才的な人間であった僕は、ヤン提督が大好きだったのです。あの「後世の歴史家によると〜」とかいうのも、いかにもそれらしくて良かったよなあ。
ビデオ化されたときには、その30万円くらいのセットがものすごく欲しかったにもかかわらず、当時の僕にはそんな金は逆さに振ってもなくて悲しい思いをしたのをよく覚えています。今は斜め45度くらいに傾ければ、DVDボックスセット全館揃いを買えなくはないのですが、買おう買おうと思いながら、結局まだ買ってないです。
ところで、この作品を読んだ後遺症で、僕は最近誕生日を迎えるたびに「ああ、この年齢で、ヤン提督は大将だったんだなあ…」とか、つい考えてしまいます。それに比べて、自分の情けないこと!まあ、ラインハルトなら、もうとっくの昔に○○している年齢なのですが。「何も悪いことなんてしていないのに、なんて30歳にならなければいけないんだ!」とかね。


旅のラゴス筒井康隆
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101171319/249-9020890-8586731

筒井さんとの出会いは、高校の学園祭のときのことでした。生徒会のバザーを覗きに行ったときに、同級生が「これ面白いよ、筒井康隆いいよ!」と薦めてくれたのが、「48億の妄想」だったのです。それを読んで、「世の中には、こんなに露悪的な小説があるのか!」と感動してしまったんですよね僕は。それから筒井作品を貪り読んでいったのですが、僕が読んだ筒井作品のなかで、いちばん好きなのがこの作品。読んでいたのが、ちょうど高校受験を控えていた夏休みというタイミングもあってか、この物語は、ものすごく僕の心に沁みました。なんというか、学問をやって生きるということの喜びと悲哀、みたいなものが、この作品にはずっしりとこめられているのです。筒井作品としてはやや異色であり、また、G.マルケスの影響もあったらしい(というのは、後日知ったのですけど)のですが、なんというか、僕にとっては、「筒井さんは、こんな作品も書けるのか!」ということも含めて、ものすごく心に残る作品です。筒井作品の時点は「霊長類、南へ」。今読んだらこちらはちょっと古い感じがするかもしれませんが、初期筒井ワールド全開で、最後まで読むと、うわーやられた!というようなスカッとした絶望感が味わえます。大学の夏休みに帰省したら、弟がこの本を持って現れて、「兄ちゃん、面白い本読んでたんだねえ」と尊敬されたのも良い思い出です。なんか、やっぱり兄弟なのかな、と思う一方で、「霊長類、南へ」に感動する兄弟というのは、どんな兄弟なのか、と。


世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド村上春樹

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

ノルウェイの森」で村上春樹さんを知ったのですが、いちばん記憶に残っているのがこの作品です。「ノルウェイ」や「国境の南、太陽の西」などの、比較的リアリティがある世界観の作品に比べて、「風の歌を聴け」「羊をめぐる冒険」のような、初期のファンタジー系の物語は、僕にはいまひとつピンとこなかったのです。そして、この「世界の終りと…」も、読み始めは、正直なところ「読みにくい作品だなあ」という感じでした。でも、読み進めていくうちに、どんどんその2つの世界にのめりこんでいき、最後はほんとうに寝る間も惜しんで読み終えました、それで、この作品では、主人公の最終的な「選択」が、僕の予想とは逆だった、というのが、ものすごく印象に残っているんですよね。「えっ?それでいいの?」という結末。でも、その場面は、まばゆい希望はないんだけど、ものすごく静かで、美しい光景だったのです。これを読んでいた当時は、僕はちょうど研修医1年目で、右も左もわからなくて、周りともうまくやれず、仕事も辛くて、煮詰まってくるとトイレとかに隠れてよく本を読んでいました。これを読んだのは、ちょうどそういう時期で。
この「結末」というのは、村上春樹さんにとっても、ひとつの「転機」だったり「自己肯定(自分は、これでいいんだ)」だったりするんじゃないかなあ、と僕は思っているのです。
ところで、僕は好きな本は何度か読み返すことが多くて、「ノルウェイ」「国境」は、5回以上は読んでいるのですけど、この「世界の終りと…」は、1回しか読んでいません。そして、これからも一生読み返すことは無いと思います。あまりに初読の読後感が強すぎて、読み返してそれが崩れてしまうのが怖くって。
まあ、そのくらい好きな作品なのです。


チェルシー・テラスへの道(ジェフリー・アーチャーhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102161139/249-9020890-8586731

実は僕は翻訳ものはちょっと苦手で、あまり手に取ることはないんですが、ジェフリー・アーチャーの作品は大好きです。読み始めたのは「ロシア皇帝の密約」だったかな確か。なかでもこの「チェルシー・テラスへの道」は、いちばん好きな作品です。貧しい家に生まれた主人公が、バイタリティと努力で成り上がっていくというベタベタな話なのですが、とにかく「洒落た小説だなあ」というのが僕が受けた印象でした。翻訳者も素晴らしかったのでしょうが、とにかくものすごくテンポが良くて飽きることがなく、どんな場面にもユーモアのセンスがあって、読み終えて「楽しかった!」という言葉が口から飛び出してしまうような、そんな作品です。素直に「自分も頑張らなくちゃ!」と思える、元気が出る本。


蒼穹の昴浅田次郎

蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

せっかくなので(?)比較的最近読んだ作品ということでこれを。中国史好きとしては、こういう薀蓄と大陸的ロマンがこめられた小説というのは、面白くてたまりませんでした。歴史であり、伝記であり、伝奇でもあるという、凄い小説。けっこう長くて厚くて上下巻だったにもかかわらず、貪るように読みました。こちらをオススメにしましたが、浅田さんの「壬生義士伝」も素晴らしい作品で、バスの中で読みながら、涙が止まらなくなりました。


<おまけ>こうしてみると、僕は歴史モノ、いわゆる「サーガもの」が好きみたいですね。
ところで、こういう機会はめったにないので、あと5冊「今現在、誰かに薦めたい本」というのを書かせてください。なるべく短めにしますので。

終業式(姫野カオルコ

終業式 (角川文庫)

終業式 (角川文庫)

幼馴染2人の間の手紙形式で書かれたこの小説を読んで、「おお、新しい!」と感動したのですが、「ラブ・レターズ」という同様の趣旨の戯曲があったんですね。でも、この作品の「すれ違いかた」というのは、ものすごくリアルに感じられます。


夏への扉(ロバート・A・ハインライン

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

読み終えて「やられた!」という心地よい読書の喜びにひたれる本です。高校のときに読んだのですが、当時のハインラインは、アーサー・C・クラークやJ.P.ホーガンなどの「ハードSF」に比べて「軟弱なSF」と言われていました。でも、軟弱でもなんでも、面白いものは面白い。


哀愁の町に霧が降るのだ(椎名誠
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410144806X/249-9020890-8586731

僕は「いわゆる青春小説」という感動押し付け系の物語は苦手なんですが、この作品は僕にとっての「青春小説」なのだと思っています。ふーん、とか言って読み流したつもりなのに、今でも記憶に残ってる。


ガダラの豚中島らも

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)

ミステリであり、伝奇小説であり、家族小説であり。らもさんの凄さが凝縮された作品。いろいろ書こうと思うのだけど「とにかく面白いから読んで!」としか言いようがない。


銀の夢〜オグリキャップに賭けた人々(渡瀬夏彦)

銀の夢―オグリキャップに賭けた人々 (講談社文庫)

銀の夢―オグリキャップに賭けた人々 (講談社文庫)

競馬関連の本としてだけではなくて、スポーツ・ノンフィクションの金字塔だと思います。これだけ「競馬」というものをさまざまな角度から語った本はそれまでなかったし、これからも出ないのではないでしょうか。そして、オグリキャップという馬は、本当に、ドラマチックな馬だったよなあ、と。


長々と書いてすみません。でも楽しかったです。


5.次にわたす人

それでは、
ラゴスさん
オグリキャップさん
ヤン・ウェンリーさん
中島らもさん
吉村貫一郎さん

よろしくお願いいたします。勝手に名前挙げてしまってすみません。
ご迷惑でしたら、どうか遠慮なくスルーしてくださいませ。

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