琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

靖国論

新ゴーマニズム宣言SPECIAL靖國論

新ゴーマニズム宣言SPECIAL靖國論

僕も「ゴーマニズム宣言」を読み始めたころは小林よしのりさんに傾倒していたものだけれど、最近は少し引いた視線で見ているのです。著作が「面白い」のも確かだし、「よく調べてあるし、わかりやすい」のは事実だと思う。少なくとも、大上段に構えた「専門書」よりも、はるかに「伝えるための工夫」がみられているし。
ただ、この「靖国論」に関しては、僕自身個々の戦争犠牲者については哀悼の意を感じてはいるのだけれども、「国家のために死ぬことをバカにしてきた」戦後教育を受けた人間としては、「それはそれで、『危険』なのでは?」という気もするのです。国に、いいように利用されるだけじゃないの?って。
今の日本が、寺山修司が言うところの「身捨つるほどの祖国」かと問われたら、ちょっと考え込んでしまいます。外国に行くたびに、やっぱり日本がいちばんいいなあ、と感じるのですけれども。
でもね、ここに掲載されている、戦没された方々の「遺書」には、どんな理論武装もかなわない「真情」がこめられていると思います。当直中なのに、泣けて泣けて困ってしまった。

この本で、印象に残ったところを挙げておきます。
【わしは、天下国家を大上段から語ることで私的なストレスを発散する「保守言論オタク」は、ダメだと思う。】
僕も、そう思います。

アクセスカウンター