琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

2005年を振り返る〜映画編

今年、映画館で観たもののベスト3

ベスト5にしようかと思ったのですが、なんとなく収まりが悪かったので3作のみで。

第3位:アビエイター

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もともと、ハワード・ヒューズという人には興味があったのですが(ビロウな話なんですけど、「高級ホテルで自分の大便をポットに溜めている大富豪」という以前聞いた話のインパクトがものすごく強かったので)、この映画、とにかく規格外の人間ドラマで、3時間近くもあるのに全然長さを感じないくらいでした。前半の飛行機映画のシーンもすごいのだけれど、後半の聴聞会もすごい。この人の生涯って、このあともラスベガスの巨大ホテルをガンガン買収したりしてかなり山あり谷ありなのですけど、あの場面までで映画として「終わり」にしたのも良かったと思います。デュカプリオとマーティン・スコセッシ監督に、この作品でオスカー獲らせてあげたかったなあ。というか、この作品で作品賞も監督賞も主演男優賞も獲れなかったのは、デュカプリオとスコセッシは、よっぽど嫌われているではないだろうか。主演女優賞を獲った、ケイト・ブランシェットは、「キャサリン・ヘップバーンにそっくりだった」とか言われていて、それは「Ray」のジェレミー・フォックスもそうなんですけど、「実在の人物に似ているということで演技を評価されるという風潮」については、なんだか映画とか役者というものの根源にかかわる「悪い傾向」なのではないかと僕は感じています。演技っていうのは、モノマネじゃないだろう、と。
ああ、脱線しまくりましたが、歴史モノ好きの人には、本当にオススメ。僕は「役者」デュカプリオがかなり好きになりましたよ。


第2位:ネバーランド

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ジョニー・デップの抑えた演技がカッコいい!あのスパロー船長と同一人物だとは思えませんぜ。まあ、それはさておき、この映画って、現実とうまく折り合えなくてファンタジーの世界に安らぎを見出している人の物語なんですよね。それで、「ピーターパン」があれだけヒットしたというのは、結局のところ、そういう人間(子供も大人も)は、自分ひとりじゃないんだよ、ということなのだろうと思います。一社会人としては、「バリの奥さんがかわいそう…」とか思うのですが、一夢見がちな大人としては、「こんなふうに『逃げ』ないと、生きていくって本当に辛いものなあ…」と共感してしまうのですよね。それは「逃避」だと僕も思うけれど、そういう「逃避」のために舞台とか小説とか映画とかがあるのなら、僕はその「逃避」を愛しているのだとしか言いようがない。この作品には、そういう人間の「どうしようもなさ」に対する愛情が、たくさん詰まっているのです。
今年いちばん泣きました。


第1位:スター・ウォーズ〜エピソード3・シスの復讐

感想は、http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20050710#p1に書いたのでそちらを。
とりあえず、「スター・ウォーズ・サーガ」の完結に立ちあえた人間のひとりとして、やっぱり感慨深いものがある映画でした。これ単体でみたら、あの終わりかたは、「救いようはあるけれど、救われる可能性しか残ってない」って感じなんですけどね。
でもほんと、あんなにみんな最後のスタッフロールまで席を立たずに映画を観て、音楽を聴いているのを見たのは僕にとってはじめての体験だったので、多くの人にとって、この映画は、「映画以上のもの」だったのではないかなあ、と思います。
僕も観終わって、「あの人にこれを見せてあげたかったなあ」という人の顔がいくつか浮かんできて、すごく切なくなってしまったものなあ。


というわけで、相変わらずベタなものしかオススメできなくてすみません。あと、「アレキサンダー」とか、けっこう叩かれてますけど僕は好きでした。そういえば、「銀河ヒッチハイク・ガイド」観にいくのも忘れてた。

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