http://d.hatena.ne.jp/akichu/20060116
さて、こういう相談を受けたら、僕はどんな本を薦めるだろう?と、これを読んでからずっと考えていました。あらためてそう言われてみると、このリクエストに応えられる本って、なかなか思い浮かばなくって。親世代(ちょうど還暦を過ぎたくらい)だったら、どんな本を読むのだろうか?というのがそもそも難しくて。ストレートなギャグ漫画ではあまりに悪ノリしすぎているし、ギャグってけっこう平気で人が死んだり不幸になったりもするし、本当に心が疲れているときって、かえって笑えないこともあるのですよね。
ベストセラーになる本の多くは、「感動」を増幅するために「不幸」が描かれます。あるいは、ミステリでは、「誰かが死ぬこと」が大前提。実は、読書というのは、「心が揺れても大丈夫な状態にある人」にだけ許された娯楽なのかもしれません。
それで、僕なりに考えてみたのですけど、近著では、
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それなら、向田邦子さんのエッセイなんてどうだろうか。
しかし、そうやってずっと考えていって最後にたどりついたのは、あまりにベタなのですけど、
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そういえば、東海林さだおさんの食べ物エッセイとかもそうですよね。あのエッセイは、そういう視点でみれば、本当に凄い仕事だと思います。
意外と、ささくれだっていないものを求めているひとは多いはずなのに。