琥珀色の戯言

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中島らもの「面白いエッセイの書き方」

中島らも (KAWADE夢ムック 別冊文藝)

中島らも (KAWADE夢ムック 別冊文藝)

↑の本の冒頭で、小堀純さんが、次のような、らもさんの言葉を引用されています。

「エッセイが面白くないと思ったのは、内容が貧相なのに、なんとかデコレーションでマスを埋めようとしているからだね。おれの場合は最初に一番面白いことを頭に持ってきて、あとはだらだらと書いて、最後トンボ返りみたいなことをして終わるって形でずっとやってきた(『異人伝―中島らものやり口』KKベストセラーズより)。

「起承転結なんかぶっ壊してもいい。”転”から始まっても一向かまわないんだよ」
 未完となった近未来小説『ロカ』の中でも、主人公の作家・小歩危ルカはそんなことを云う。

 実際のところ、奇才・中島らもの「やり口」を凡人たる僕がやろうとしても難しいことはわかりきっているのですが、こうやってWEB上に「エッセイめいたもの」を書くときには、このらもさんの言葉、役に立つのではないかと思います。無名であればあるほど「前置き」なんて意味がないし、「最初に一番面白いことを書く」のが最上の手段なのかもしれません。「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」ならば序盤は面白くなくても、みんな「面白くなるはず」ということでガマンしてくれますが、無名のゲームだったら、いくら後半がよくできていても、「なんだこのクソゲー!」と投げ出されてしまいますし。
http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20051028
↑に書いたように、「送り手」と「受け手」の意識というのは乖離しがちなもので、お客様は、「常連さん」でなければ、ちょっと読んでつまらなければ、いちいちガマンして最後まで読んでくれたりはしないものなのです。「ほんのちょっとの前置き」で、読み手は「戻る」ボタンへ手を伸ばしてしまうものなんですよね。僕もそうだし。

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