琥珀色の戯言

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中国のゲーム事情

「週刊ファミ通」2006年3月31日号の「浜村通信」(浜村弘一著)で、世界各国のゲーム事情が紹介されていました。その中での「中国のゲーム事情」に関するものあれこれ。

中国ではネットゲームが大ブームで、2006年末にはオンラインゲーム人口が2000万人に達する勢い。そして、「引きこもりゲーマー」が社会問題になりつつあることを受けて

 昨年(2005年)の7月、中央政府はネットゲームに対するガイドラインを発表。このガイドライン、法律ではないので拘束力はないのだが、中央政府からのお達しということで、オンラインゲーム運営会社のほとんどが、それに従った。結果、どうなったか。まず、ネットゲームをプレイしていて、3時間が経過すると警告が出るようになった。「あなたは長時間プレイしている。そろそろ休んだほうがいい」。表現の違いはあるけれど、日本でも同様の注意が出されることはあるよね。でも、中国は違う。その後、警告を無視してゲームを続けると、実効性の伴う処置が執られるのだ。たとえば、あるゲームではなんと、もらえる経験値が半分になってしまうという。そして、そんな経験値半減措置も無視してプレイを続けていると、さらに驚くべき処置が待っている。プレイ開始から5時間経つと、なんと強制的に回線が切断されてしまうのだ。

 いやまあ、一度回線を切って繋ぎなおせばこの「経過時間」はリセットされるのか?とか、それでも、中国人ゲーマー集団による「オンラインゲームでのRMTリアルマネートレード:ゲーム内でのお金を現実社会でのお金で売買すること。多くのオンラインゲームでは、ゲームバランスを壊してしまうので禁止されているが、なかなか取り締まれないのが実情)」が問題になっているということは、抜け道はたくさんあるのだろうな、とか思うところはたくさんあるのですけど。日本のオンラインゲーム(というか、某ダービーオーナーズクラブオンライン)でも、あまり長い間経験値稼ぎを続けていると、いろんなものが「採集」できなくなったりしていましたが。でも、「強制切断」はさすがにすごいです。

 さらにこんな話も。

 そういえば中国では、『三国志』をテーマにしたゲームを出すときは、気をつけなければならないタブーがあるという。大乱の火付け役となった黄巾賊。これを『三国志』の書籍にありがちな悪者として扱ってはいけないのだ。「彼らは、農民の正当な権利を主張し、革命を起こそうとした英雄たちである」というのが当局の見解。だから、きちんとそう描かないとゲームを出す許可が下りないとか。なるほど、いまの政府の立場から見れば、正当な主張かも。

 つまり、『三国無双』で、張飛が黄巾賊をバッサバッサとなぎ倒し…なんていうのは、全部アウトなのだと思われます。張角が妖術で後漢軍を倒すとか、黄巾賊がわらわらと曹操に襲いかかるとか、そんなゲームになってしまうのだろうか。とりあえず、ゲームクリエイターとしては、ものすごくやりにくそう。いやまあ、確かに「いまの政府の立場から見れば、正当な主張」なのだろうけど、ゲームの設定としては苦しいですよね。

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