琥珀色の戯言

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ブログ進化論

ブログ進化論?なぜ人は日記を晒すのか

ブログ進化論?なぜ人は日記を晒すのか

なんだかちょうどタイトルが「ウェブ進化論」と被ってしまったみたいなのですけど、なかなか面白い本でした。最近になって「ブログ」に興味を持ったという人とか、新しくブログをはじめてみたけれど、何を書いたらいいのかよく分からないという人にとっては、一読の価値はあると思います。
逆に、僕のような「ネット依存者」にとっては、「もう知ってるよ」というような話ばかりではあるので、あまり新しい知識は得られませんが、それでも、「これまでの流れに対するまとめ」として読めば、頭を整理するのには役に立ちます。

この本のなかでいちばん僕の印象に残ったのは、

「今までの人生で、いちばんわくわくして読んだものは?」
 こんな質問をされたとき、何が頭に浮かぶだろう。
 江戸川乱歩のミステリー小説だろうか。ミッチェルの恋愛小説だろうか。こういったものが頭をよぎった人もいるだろうが、たぶんもっとわくわくしたものがあるはずだ。
 それは、自分の手紙に対する返事ではないだろうか。
 誰かに想いを伝えるために書いたラブレター。もしくは、友達とやっていた交換日記でもいい。その形態がどうであれ、自分が発信したメッセージに対する反応ほど、夢中で読めるものってないと思う。
 小説がいくら面白かろうが、それは決してあなただけのために発信されたものではない。しかし、手紙の返事というのは、あなただけに発信されたものだ。こういったものが人の心を夢中にさせるというのは、普遍的なことだと思う。
 そんな楽しみを恒常的に与えてくれるのがブログだ。

という文章でした。
 確かに、ブログほど「自分の手紙に(不特定多数の人から)簡単に返事をもらえるツール」というのは、今までの人類には存在しないものでした。そういうのは、ごく一部の「選ばれた人(有名人や作家)」だけの特権だったのです。でも、ブログは、それをかなり容易なものにしてくれました。
 もっとも、ブログをはじめてみれば、「そう簡単に、返事なんてもらえるものではない」ということもわかりますし、「自分が本当に書きたいメッセージをブログに書いても、なかなか反応は得られない」ということも多いでしょう。それでも、「敷居」は、かなり低くはなったのです。
 まあ、一般的に「読む側」というのは、「有益な情報」が得られればいいのであって「出会い系」でもなければ誰が書いているかなんてどうでもいいにもかかわらず、「書いている側」は、ひたすら「自分のことを知ってほしい」と思っているのですから、ブログというツールでの読む側と書く側というのは、基本的には別々の方を向いていることがほとんどなのですよね。

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