- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2006/04/27
- メディア: 単行本
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母親からみた「息子」と「娘」って、こんな感じなんだなあ、と、あらためて考えてしまいました。いや、女の子っていうのは、当たり前のことなんだけど、子供のころから「女」なのだなあ、とか。
西原さんの描いたものを読んでいていつも感じるのが、「みんな、一生懸命生きているんだ」ということです。そんなこともわからないのか、と言われればそれまでなのですが、僕の視点から見た人生というのは、自分自身を代表として「もっとがんばればいいのに」というような人だらけなのですけど、西原さんの漫画を読んでいると、「みんな、それぞれ事情とかを抱えながら、それなりにがんばっているんだよな」という優しい気持ちになってくるのです。まあ、それは「甘い」のかもしれないけどさ。
「母」って言うけれど、それは誰かの「娘」でもあり、「妻」でもあり、「友達」でもあり、「漫画家」でもあり、そして、「自分自身」でもあるんですよね。人というのは、ほんとうにさまざまな面を持っているにもかかわらず、それぞれの「役割」によって、いろんな先入観を押し付けられているものなのですよね。
私達お母さんね、週末の一日のちょっとの時間でいいんだ。
自分のこと聞いてほしい。
ああ、なんだかとても読んでいてせつなくなりました。
たぶん、どんな人でも多かれ少なかれ、「自分のことを聞いてほしい」んだよね。
「平凡な主婦」「平凡なサラリーマン」のように周囲から見えたとしても、本人にとっては、いろいろ感じていること、話したいことがあるはずなのです。
でも、「他人のことを聞いてあげたい」という人は、本当に少ない。
僕にはこうして語れる場所があって、聞いてくれる人も(たぶん)いるのだから、すごく幸せな人間なのかもしれないな、と思います。