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僕もこの「カリオストロの城」大好きで、今まで観たアニメ映画のなかでは「風の谷のナウシカ」と並んでベスト1の作品なのですけど、この本を読んで、この映画がわずか4ヵ月半で作られたこととか、宮崎駿監督は別に「ルパン」をやりたかったわけではなくて、長編アニメ映画の初監督のチャンスだったので、「背に腹は換えられず」この作品の監督をやったのだということとかを知りました。それにしても、1本のアニメ作品というのは、本当にたくさんの「見どころ」があるのだなあ、とあらためて感じさせてくれる本。(あらさがしも含めて)もう1回、「カリオストロの城」が観たくなりました。
いくつか印象に残ったところなど。
唐沢俊一さんのコメント
ま、それにしたって、国の主要産業である偽札工場を滅ぼして、これから国に残ったクラリスがどれだけ苦労するか、といかいう思いはありますが(笑)、まあ、そこまで言うのは野暮ですしね。
↑言ってるじゃないか!
「カリオストロの城」の不入り伝説について
『カリオストロの城』が不入りだったことは伝説と化しているが、筆者(叶精二さん)は東宝・東和のデータに基づく独自調査により興行成績を以下のように推測している。
興行収入:約6億1000万円
配給収入:約3億500万円
地方動員:65万8386人(2本立て公開)
首都圏・関西動員:約24万2000人
全国動員:約90万人(2本立て含む)この数値は、日本映画の平均からすればそれほど悪いものではない。地方興行で組んだ相手が人気下降の一途であった『Mr.BOO!』であったことは余りにも不運であった。当時『制作費5億』と宣伝されたが、無数のリバイバルの結果、2004年現在で配給収入5億1000万円(興行収入約10億2000万円)を達成しており、25年を経て制作費の回収は果たされている。
とのことです。ちなみに映画『ルパン三世』の第一作『ルパンVS複製人間』は、配給収入9億2000万円の大ヒットだったそうなのですが、これは、地方興行で、大ヒット洋画『ナイル殺人事件』と併映されていたという要因も大きかったのだとか。それにしても「第一作に味をしめて作ったにもかかわらず、大コケしてしまった」というのは、当時の人々の(営業的な)印象だったようです。
今では、『ルパン対複製人間』のほうは、ほとんど語られることはないのですけど。
テレビで放映された『カリオストロの城』の視聴率の変遷(いずれも日本テレビでの放映。ちなみに、映画が公開されたのは、1979年12月15日)
1980/12/17(初放映) 視聴率21.2%
1982/9/22 (第2回) 視聴率21.8%
1984/3/11 (第3回) 視聴率20.3%
1985/7/3 (第4回) 視聴率14.7%
1991/10/4 (第5回) 視聴率13.7%
1994/9/2 (第6回) 視聴率22.4%
1999/2/26 (第7回) 視聴率23.4%
2001/6/15 (第8回) 視聴率21.2%
2004/3/26 (第9回) 視聴率15.8%
ちなみに、この間の視聴率の影響を与えそうな大きな出来事としては、1983年8月に、ノーカットビデオ版が発売(1万9520円!)、2001年4月にDVDが発売(40万枚売れているそうです)、などがあります。
それにしても、「何度もやってるなあ…」というイメージはあったものの、もう9回も、しかも全部ゴールデンタイムで放映されているとは!たぶんみんな「またやってるのか…」とか言いながら、また観てしまっているのでしょうね。そして、何度観ても引き込まれてしまうんだよなあ。