- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/12/16
- メディア: 新書
- 購入: 7人 クリック: 33回
- この商品を含むブログ (66件) を見る
翻訳家・エッセイストの米原万里さんによる「人を笑わせる話のツボ」をさまざまな角度から紹介した本。「笑い」が好きな人、ユーモアがある文章を書きたい人にとっては、とても参考になる本だと思います。まあ正直「笑い」のセンスとしては、ちょっと前時代的なんじゃないかな、という気がするし、「笑い」といっても「爆笑」というよりは、唇の端をちょっと歪めてニヤリ、という感じのシニカルなジョークが多いのですが。
正直、米原さんの政治的な言及、とくに小泉・ブッシュ批判については、典型的な「良心的知識人」っぽくてやや引いてしまうのですが(もちろん、ある種の「笑い」は「政治」を無視しては語れないところはあるにせよ)。
それにしても、米原さんってこんなに豪快な人だったとは!
この本の末尾には、2005年の晩秋に書かれた米原さん自身による「あとがき」があります。
それを読んで、癌の転移を知りながら、この「笑い」についての本を執筆されていたということを思うと、なんともいえない気持ちにさせられてしまうのですけど。
人間にとって、切実に「笑い」が必要なときって、「笑えない状況」のときなんですよね、きっと。