琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

壺算

↑の米原さんの本に、こんなネタが紹介されていました(上方落語の「壺算」という有名な噺だそうです)

「へぇ、お越しやす」
「嬶(かか)が新しい水壺買うてきてくれ言いよりまりてな……」
「へぇへぇ、右ん棚が十円もん、左ん棚が五円もんになってます」
「ごっつう高こおますなあ……この左ん棚の白いんがええわ。遠いところから来てるんやから、せいぜい気張ってや!」
「そうでんなあ、どぉーんと勉強して、四円! これ以上はまからしまへん」
「そうでっか。そなら失礼しますわ」
「三円! 儲け度外視ですわ」
「ほな、もらおうか」
「ありがとさんでおます。へぇ、たしかに三円いただきました。どうぞ、これからもご贔屓に」
 ところが、店を出ていった客が半時も経たぬうちにまた戻ってまいります。
「へぇ、お越しやす。おやまあ、さっきのお人やおまへんか」
「嬶に見せよったら、この壺は小さい言いよりまるのや。右ん棚の大ぶりな壺もらいますわ。せいぜい勉強してや」
「七円!」
「六円!」
「殺生な……仕方ありませんな。手え打たしてもらいますわ」
「おおきに。そいでこの小さい方の壺は下取りしていただけまっか」
「よろしおます。三円で引き取らせていただきまひょう」
「さっきの三円と壺の下取り賃三円と合わせてちょうど六円や。ほな、この壺、もろていくで。包まんでもええがな」
「へぇ、おおきに。またお越しやす」

 米原さんの記憶によると、中学時代の数学の教科書に、「このまやかしを証明せよ」という問題でこの落語が紹介されていたそうですし、15年前には、イタリア人の詐欺師が同じ手口で両替を持ちかけて、東京・上野の商店の軒並み騙したことがあったそうです。
 しかしこれ、話全体としては、「三円しか出してないのに、六円の壺をせしめるなんておかしい」のは感覚的にわかるのですが、「(数学的に)まやかしを証明せよ」とあらためて言われると、ちょっと頭がこんがらがってしまいますよね。

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