- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 文庫
- 購入: 13人 クリック: 150回
- この商品を含むブログ (651件) を見る
今週末から映画が公開されるということもあり、文庫化されたみたいです。表紙は前の単行本のほうが好き。
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20050504#p1(「夜のピクニック」感想)
この本についての感想は↑に書いたのですが、ある意味恩田陸さんんらしくない、「ストレートな青春小説」です。
しかし、この本が出た時点では、恩田さんより先に角田光代さん(は、まあ頷けるとしても)、森絵都さん、そして三浦しをんさんまでが直木賞を獲ってしまうとは、全然予想していませんでした。今から考えても、「夜のピクニック」で受賞していてもおかしくなかったと思うのですが(ちなみに、「夜ピク」は、直木賞候補にもならなかったのです。「本屋大賞」は受賞したけど)。
恩田さんといえば、
http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20050917
↑の鴻上尚史さんとの対談での発言が僕にはとても印象的でした。
私には、ストーリーにオリジナルなんかないという持説があって。つまり、人間が聞いて気持ちいいストーリーというのは、ずっと昔からいくつかパターンが決まってて、それを演出を変えてやってるだけだと。でも、昔聞いて面白いと思ったストーリーは今でもやっぱり面白い。それが不思議で面白いから小説を書き続けている、という感じなんですよね。
たぶん、この境地に至るまでは、おそらく、「オリジナリティを求めての彷徨」があったのでしょうが、ある種「極めた人」の言葉だなあ、と。