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僕も正直、「素人の”星何個”評価に意味なんてあるのだろうか?」と思っていたのですが、最近は本や映画の感想を書く際には”星何個”をつけるようにしています。なぜそういうふうにしたかというと、

- 作者: 吾妻ひでお
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/07/06
- メディア: コミック
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たぶん、この「評価」がつけられていなかったら、たくさん並んでいる本のタイトルだけを見て、「ああ、読書家だなあ」と通り過ぎてしまうのですけど、◎なんて本がたまにあると、どうしても「それがどんな本なのか?」ということが気になって興味がわいてくるのです。「とっかかり」ができるとでも言えばいいのでしょうか。そして、読んだ本に対する評価が何百冊も積み重なっていくと、読み手である僕の側にも、吾妻さんの読書傾向と「どんな本を好む人なのか?」というのがわかってくるんですよね。
他者の作品を”評価”するというのには、ある種の「責任」を伴いますし、「自分の好み他人に見せる」ことでもあるのです。それを積み重ねていくことによって、ヘタな「自己紹介」よりも、はるかにその人の「実像」みたいなものを浮き彫りにしていくことができる面もありそうです。「とにかく悪口ばっかり書いている」「世間の評価に反発ばかりしている」ブログを読むと、「優越感に浸りたいだけのつまんない人」というイメージが僕には浮かんできますし。
おそらく、素人の”星何個”評価のひとつひとつには、ほとんど意味なんてないと思います。でも、多くの人の評価が積み重なることによって出た「平均点」は、「作品への世間的な評価」になるのでしょうし、個人個人にとっては、多種多様な作品の評価を積み重ねていくことで、「誠実な自己紹介」になりえると僕は考えています。
そして、ファミ通のクロスレビューを読んでいるといつも感じるのですけど、「他人の感想」を読んでみようと思うときって、そのレビュアーに興味があるか、もともとそのゲームに興味があるか、高い点数(あるいは、ものすごく低い点数)がついているかのどれかなんですよね。「点数がついているから、高い点数のものしか読まれない」と書いている側は考えがちなのだけれど、読み手には「評価を全部読んでみてから判断する」よりも、「まだるっこしいから、全然読まないで他所へ行く」人のほうがはるかに多いのではないかと。それを考えると、より多くの人に読んでもらおうとするならば、「低い評価のものは読み飛ばされる」ことは覚悟の上で、”星何個”評価をつけるというのはひとつの戦略なのではないでしょうか。