琥珀色の戯言

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あたらしいせかいのはじまりだ。

朝日新聞天声人語」2006年10月18日付
http://www.asahi.com/paper/column20061018.html

なんだか30年前くらいの悪趣味なSFショートショートみたいな文章なんですけど……
たぶん、書いた記者は、「うまくオチがついた」とか思っていそうです。
まあ、「一石を投じる」という点では、それなりに「意味」はあるのかもしれませんが、こうして大新聞の1面で散文的に「批判」されるとなると、「代理母」として自分の孫を出産された女性も立つ瀬がないと思います。いや、彼らだって「他に方法がなかった」から「代理出産」という選択をしただけで、そこに至るまでにはさまざまな葛藤があったはずなのに。誰にでも思いつくようなわかりきった「批判」をするのではなくて、その「葛藤」を伝えるのが「報道」ってものなんじゃないか? 大新聞の1面に「2ちゃんねる」のコピペみたいなのが堂々と載るっていうのも凄いよなあ(しかも低クオリティ!)
というか、少なくとも、この子どもは「ものすごく望まれて」生まれてきたわけなのだから、けっして「不幸」ではないはずです。それを「不幸」にしてしまうのは、この記事に代表されるような周囲の「偏見」なんですよね、きっと。
もちろん、こういう「代理出産」のあり方に僕だって好感を抱いているわけではないのですが(というか、正直「生理的嫌悪感」みたいなものはあります)、やっぱり、生まれてきた子供には、こんな偏見に負けずに強く生きてもらいたいなあ、と願ってやみません。
しかし、「命」ってやつは、本当にやっかいなものですね。
「そんな方法で人が生まれてくること」に矛盾を感じていても、一度生まれてしまえば、その「生まれてきた人」を愛さずにはいられないのだから。

参考リンク:「『孫』代理出産」への理解と嫌悪感
http://www5f.biglobe.ne.jp/~iyatsue/magodairishussan.htm

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