
- 作者: スコットフィッツジェラルド,Francis Scott Fitzgerald,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/11
- メディア: 単行本
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村上春樹訳『グレート・ギャツビー』に関する産経新聞の記事「なぜ売れる 村上春樹さん新訳『グレート・ギャツビー』」
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/m20061123000.html
取材に対し、村上さんは「(20年代に)米国は未曾有の好景気を満喫し、フィッツジェラルドは若くして名声を満喫していました。(本書は)まさに時代を代表する指標のような作品であったわけです。しかしフィッツジェラルドは明らかに、その喧噪(けんそう)の中に不吉な響きを聞き取っています」と作者と時代を説明。
大恐慌を経た不況の30年代にフィッツジェラルドも米国社会も成熟したとしたうえで、「おそらく日本のバブル経済と、その破綻(はたん)と、『失われた十年間』に相当するのではないか。日本社会もやはりそのような段階を通り過ぎることによって、ひとつの成熟を遂げたのではないか。今こそ日本の読者にある種の実感を持って読まれていいのでは」と、意義を述べた。
そして、本書は「人が成熟していくことについての物語であり、それに伴う発熱の美しさを、苦しさを描いたもの。若い読者の心に響くはずだし、響いてもらいたい。時代を超えて」とメッセージを寄せた。
僕にとっての『グレート・ギャッビー』を「喪失の痛みの物語」であって、『ノルウェイの森』と同じような色合いを感じたのですが、村上さんにとっては、「喪失」は「成熟」につながっているのでしょうか……
『グレート・ギャツビー』の感想で、「僕もこういう文章が書けたらいいのに」を思ったものを2つ挙げておきます。
[グレート・ギャツビー」/スコット・フィッツジェラルド/村上春樹訳
(「空中キャンプ (11/12)」)
http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20061112
鎮魂で始まり祈りで終わる(「Feel in my bones (12/1)」)
http://blog.goo.ne.jp/kous37/e/61023e79e9d1e652febc5db919d7fa24