琥珀色の戯言

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「結婚」と「経済力」

わしズム Vol.22』(小学館)の特集「『結婚』は必要か!」のなかで取り上げられていた印象的な統計。

巻頭の小林よしのりさんの『天籟(てんらい)』というコラムより。

 結婚観は時代の経済状況に左右される部分が大きい。日本の労働人口約5000万人のうち、いまや不正規雇用は1200万人に達し、年収300万円以下の労働者が2400万人、年収200万円未満が1400万人という統計が出ている。全労働人口の4人に1人は生活保護水準で暮らしているのだ。

森永卓郎さんの「『モテ格差社会』が進行している」という記事より。

 労働政策研究・研修機構が2002年の就業構造基本調査を年収別に再集計して。年収別の結婚率という統計を出した。このデータを20代後半の男性で見てみると、驚くべきことに、年収1000万円以上は70%超、4人に3人が結婚しているのに対し、年収が下がると、結婚率は一直線に落ちる一方であることがわかった。年収200万円台(200万〜249万円)は23%で、4人に1人の結婚率になってしまう。年収100万円台(100万〜149万円)にいたっては、15.3%、もはや6人に1人も結婚できない。そして、いまや国民の4割近い非正社員の収入が100万〜120万円なのだ。これは意識の問題ではなく実際のデータであり現実である。
 この数字は、男性に金がなければ女性は結婚しないということを隠しようもなく示している。さて、このデータをフェミニスト陣営の方々はどうご覧になるだろうか。
 これまでのフェミニストたちの主張は、日本人の晩婚化、少子化の原因は、日本の企業が働きながら子育てをする女性に無理解であり、政府が女性の就労支援や子育て支援をしないから、働く女性が結婚できないというものだったはず。しかし、現実にはそうではなかった。働く女性が貧乏な男たちを相手にしないのが原因なのだ。

 周囲に「高収入にもかかわらず未婚の医療関係の女性がかなり多い僕としては、「女性の収入と結婚率には相関があるのだろうか?」ということも気になるのですが、少なくとも男性側からみると、「年収」と「結婚率」はきれいに相関しているそうです。
 ただ、「経済的な問題」だけが全てなのか?という疑問は残るところではあるんですよね。それなら、日本全体がもっと貧しかった終戦後の時期には結婚率や出生率が低下したのか?というと、必ずしもそうではないみたいですし。おそらく、当時の日本人には、「今は貧しくても、将来はもっと豊かになっていくに違いない」という楽観的な未来予想図があったのだと思います。それに比べて、今の「適齢期」の日本人の多くは、「一生懸命働いても低収入」であるだけではなく、「将来的にもこういう状況が劇的に改善される見込みは乏しい」という諦念も抱えている、ということなのでしょう。自分の人生に希望が持てなければ、子供が欲しいとは思えないよなあ……

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