琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

結婚は『この人でなくちゃ』という人とするもの?

はてなQより 結婚は『この人でなくちゃ』という人とするもの?(by finalventの日記(07/5/7))

はてな」の

結婚についての質問です。現在付き合っている彼女が、私との会話の中でしきりに結婚をほのめかすような言動(結婚したそうにする)を取り始めました。が、正直なところ迷っています。(以下略)

という質問に関するエントリなのですが、「色恋はテンプレ」だというのは、確かにその通りだよなあ、と思います。結局のところ、外野から言えることなんて、月並みで常識的な意見か、他人事としてのぶっ飛んだ見解くらいのものですから。そもそも「恋愛に関する悩み」なんて、本人が「こんなに珍しくて複雑な悩みを抱えている」と思っていても、恋愛関連は母集団が莫大なだけに、人類全体でいえば大部分は「ありふれたもの」でしかないわけで。

 しかし、考えてみれば、この相談を僕が誰かにされたとしたら、その「答え」は、僕の中では30歳くらいを機に180度変わってしまっているんですよね。
 もし20代前半に僕がこういう相談を直接誰かにされたり、この質問をネットで読んだりしたら、やっぱり、

1 回答者:garam16 2007-05-07 01:50:46

転勤が控えていて、気持ちが無いんじゃ傷付かない様に別れれば良いと思います。

遊ばれている女性が可哀相です。

というふうに答えたと思います。
でも、今の30代半ばの僕が同じことを聞かれたら、たぶん、

絶対結婚したくない、できない、っていうんじゃなくて、迷っているんだったら、結婚してみれば?

って答えます。別に「結婚は無条件で良いものだ」とか「結婚すれば必ず幸せになれる」という楽観論者ではないんですけど。

多くの男性にとって「女性経験の少なさ」というのは、やっぱりコンプレックスだと思うんですよね。僕もそうでした(というかそうです)。でも、この年になって感じるのは、「年を取ったからって、選球眼というのは必ずしも良くなるようなものじゃないし、人生において、『最初に引いたクジが当たりクジだった』ということは、けっして少なくない」ということなんですよね。もちろんそれに「当たり」と書いてあるわけではないところが問題なのですが。こういうのって、ドラマや映画のように、20時45分に必ず猪木の延髄斬りが決まったり、上映開始から1時間半くらいに「自分にふさわしい相手」とうまくいったりする、というわけじゃないんです。そして、「自分が相手を本当に愛しているか、いたかなんて、十年くらい付き合ってみるか、別れてしまった後じゃないと普通の人間はわからないのだ」とも感じるのです。そもそも、「恋愛相手として他者から選ばれる可能性」というのは、男女とも一般的に30歳以降は年を重ねるにつれて低くなっていきますから、多少「選球眼をみがいて、もっといい球を打てるようになった」つもりでも、自分に投げられる球そのものが少なくなるリスクのほうがはるかに高いのです。僕の周りにも、若い頃に「もうちょっといろんな人を見てみたい」ということで恋愛遍歴を重ねた人は少なくないのですが、結局のところ、彼らの多くは「えっ、昔はみんなが憧れた人だったのに、こんな相手と?」と思わざるをえないような結婚をしたり、「もう結婚なんていいや」と仕事に生きる道を選んだりしています。もちろん、それが悪いということじゃないんだけれども、僕はけっこう、人間ってあまりいろいろ経験を積んで考えすぎないうちのほうが、恋愛においては自分に合った選択をできることが多いんじゃないかな、という気がするんですよね。
「とりあえず結婚してみたら」というのは、アドバイスとしてはけっこういいかげんなのかもしれませんが、この質問者のような「恋愛経験が豊富でないのがコンプレックス」「仕事は今まできちんとやってきた」というような人にとって、30過ぎてから「いろんな女性と付き合ってみる」というのは、あまり得策ではないように感じます。30までそういう人生しか送れなかった人には、根本的に「恋愛経験を積む才能」が欠けているのではないかと。
ただ、僕もこういうタイプだったのであえて言わせていただければ、こういう人間というのは、「手堅く自分の人生を積み上げていく才能」はあるのではないかなあ、と思うのです。「恋愛経験の豊富さ」っていうのは、バイタリティの豊富さにつながっているように感じられるし、それはけっして「悪いこと」ではないのだけれども、実際のところ、短期間の付き合いばかりで「人数」を稼いでいる人がそんなに偉いわけじゃない。1人の相手とずっと向き合っていくのも立派な「経験」です。30歳にもなって「転向」するよりは、自分の長所を生かしたほうが良いのではないでしょうか。

僕がもし誰かにこの質問をされたとしたら、こんなふうに答えると思います。

 結婚してみようかな、と少しでも悩んでいるのなら結婚してみればいいと思うけど、
 どうしても決められないのなら、とりあえず今のままいけるところまでいってみたら?
 このまま時間が経っていけば、なんらかの結論が出ないわけにはいかないのだから。

 こういうのって不思議なもので、「それでも待ってくれている」相手を見ているうちにこちらから結婚してもらいたくなったりすることもあるみたいですよ。まあ、大概は相手のほうから「もう別れる」って話になるのでしょうが。

僕自身は、

結論から申し上げさせていただくならば、おそらく今のお気持ちで結婚は難しいでしょう。結婚というのは、相手の人生を預かることです。原則、破棄できない契約です。生涯を誓い合うという、大変な重みを持った約束。それが結婚です。

それでも人は結婚に踏み切ります。それはお互いに片時も離れていたくないという気持ちが一致するからですよね。

なんて回答を読むと、「でも、先のことはわからないよね」と正直思います。それは、浮気願望とかじゃなくて、そんなふうに決められても、どうしようもないときもあるんだろうな、という気がするから。
ただ、「永遠の愛」とかじゃなくても、「今」を積み上げ続けて、それがなるべく長くなってくれればいいな、と願ってはいるのです。

アクセスカウンター