琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

「事情通」なんて怖くない!

「私は事情通」なひとたち(はてな匿名ダイアリー)
↑で紹介されているような「他者のブログに『そんなこと知ってるよ』『そんなの常識だよ』ってコメントしたり(ブックマークコメント含む)、トラックバックしたりしないと気がすまない人たち」っていますよね。そのエントリを書いた側にとっては、なんだか「お前らそんなわかりきったことを書いて喜んでるのかよ、レベル低いな」とバカにされているような気がして、けっこう不快なものです。そういうのって、みんながせっかく「それは初めて知った!」と喜んでくれているところに冷水ぶっかけるようなものだしね。
僕もブログ・サイト歴が長いのであえて言わせてもらえば、「大概の人気になるエントリには、こういう『そんなの常識!』っていうコメントがつくもの」なのです。そして大事なのは、書く側がこういう「知識自慢の招かれざる客」のことを過剰に意識しすぎないことです。
実際、この世界で、「自分ひとりしか知らない知識」って、一体いくつあると思いますか?
僕には、そんなの「自分の足の裏のホクロの数」とかだけじゃないかという気がするんですよ。
そもそも、僕らがブログでひけらかそうとしている知識のほとんど全ては、TVなり雑誌なり友人なり、他者から得ているものなわけです。それなら、「自分の他にそれを知っている人がいる」ってことは、不思議でもなんでもない。
それでも、ブロガーっていうのは、自分がヤフーのトップニュースに対する感想を書いているにもかかわらず「俺の日記をパクった!」なんて大騒ぎしたりしがちなんですけどね。自分の家庭の秘密とかならともかく、ヤフーのニュースを一体何人の人間が読んでいると思っているんだろう……
僕は、あるひとつの「知識」をブログに書いたとして、10人に1人が喜んでくれれば、それはかなり優良なエントリだと考えています。うちよりもっと人が来てくれるブログなら、100人に1人でも十分価値があるでしょう。極論すれば、100人のうち90人が「そんなの知ってるよ…」と呆れるようなエントリでも、残りの10人が喜んでくれれば、それは有意義なエントリなんですよ。誰にも邪魔されないかわりに100人全員が「どうでもいい」と感じるようなエントリよりは、そのほうがはるかに「誰かに届いて」いるのです。
だから、「こんなの常識だよな……」「書いたらバカにされるかも……」って思うような内容でも、バカにされるのが怖くてお蔵入りにするよりは、とりあえず書いちゃうことをオススメします。
だいたい、「そんなの常識!」って言う人って、その発言そのものが「非常識」だということすらわかっていない場合がほとんどですし。百歩譲って、それが「常識」であったとしても、「今、この場でそれを話題として選んだこと」には、それなりの「意思」と「価値」があると思いませんか?
僕はこうしてWEBで書いていて、「『僕にとっての常識』というのは、けっして『みんなの常識』と共通ではないのだな」と痛感することが多いです。
例えば「ラーメンといえばトンコツラーメン」というのは、ここ九州では「常識」なんですよ。でも、関東圏の人たちにとっては、それは全然「常識」ではない。こういう「地域による常識の差」というのが存在します。「文化圏による常識の差」と言い換えてもいいでしょう。
そして、以前「25年前のゲームセンターは不良の溜まり場だった」と書いたことに対して「それはネタですか?」というマジレスがあったんです。その時代を体験してきた僕にとっては「常識」でも、僕より下の世代にとっては「にわかに信じがたい話」だったりするわけです。こういうのは「時間、世代による常識の差」です。
ブログというのはいろんな地域・年代の人に読まれるわけですから、同じエントリでも、読む人によって、受け取りかたは全然違ってくるのです。だから、ある人が「常識」だと言っても、それがみんなにとって「常識」だとは限りません。むしろ、僕自身は「こんなことも年下の世代は新鮮に受け取ってくれるんだな」と興味深く感じることが多いのです。
いやほんと、「当たり前」のつもりことでも、書いてみるとけっこう新鮮な反応があったりするものですよ。
そういうふうに考えると、他者のエントリを「そんなの常識」「みんな知ってる」って決めつけるような人は、自分の視野の狭さと客観性の無さを大声でアピールしているようなものなんですよね。

それにしても、WEBに出現する「事情通」って、「みんなは知らないけど、UFOは実在するんだ!」って自信満々に主張していて、その根拠を尋ねたら「『ムー』にそう書いてあった!」って答えるような人ばっかりなんだよなあ……

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