- 作者: 小栗左多里,トニーラズロ,Tony L´aszl´o
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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26万部ベストセラー
『さおり&トニーの冒険紀行 ハワイで大の字』につづく爆笑海外ルポ第2弾!
今度はイタリアで大爆笑の珍道中。
見た!聞いた!食べた!やってみた!!ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマ、ナポリ、サルデーニャ島。イタリア縦断の旅で二人は・・・
Capitolo 1 Venezia ヴェネツィア
Capitolo 2 Firenze e Toscana フィレンツェ&トスカーナ
Capitolo 3 Roma e Dintorni ローマ&近郊
Capitolo 4 Napoli ナポリ
Capitolo 5 Sardegna サルデーニャ島「イタリアといえば、よく耳にするのが「アモーレ、カンターレ、マンジャーレ」。「愛し、歌い、食べる」のが大好きということらしい。つまりは陽気な感じ。一方で、芸術や伝統という重厚なイメージもある。本当はどんな国なのか。それを確かめたいということで今回の旅は決まりました。」−小栗左多里
「本書では、人混みをなるべく避けながら見つけた4大都市の隠れた楽しさ、その一歩離れた町や農村の美しさ、そして今まで日本で十分知られてこなかったサルデーニャ島での発見を紹介する」−トニー・ラズロ (本書「はじめに」より)
僕は2ヶ月前にイタリアに行ってきたばかりなので、にわかイタリア好きとして、けっこう楽しみにページを開いたのですが……
うーん、つまらん。というか、誰に向けて書いているんだろうこの本……
日本人にとって「イタリア」という国はかなりメジャーな海外旅行先ではあるのですが、その一方で、「そう簡単に行けるところ」じゃないのも事実なんですよね。飛行機で半日以上かかりますし、費用もけっして安くない。にもかかわらず、メジャーな観光地の中で取り上げられているところはベネツィアのゴンドラくらいで、あとはかなりマニアックな絵画の修復とかチーズ転がしとか。ハッキリ言って、「そんなの紹介して、誰が喜ぶの?」という感じです。なんだか「取材だからこんなに特別なことをさせてもらってるんですよ〜」というのが伝わってきます。
面白い旅行記っていうのは、大きく2種類に分けられると思うのです。
ひとつは、行った事が無い人がその土地に行ってみたくなり、行ったことがある人は、その土地のことを思い出して懐かしめるようなもの。
そしてもうひとつは、「この国にはそんな面があったのか!」と知られざる面を発見させてくれたり、旅行者の破天荒な行動による意外な体験そのもので楽しませてくれるもの。
残念ながら、この『イタリアで大の字』は、「観光ガイドとしてはマイナーすぎるし、新たな発見やネタで面白がらせてくれるようなパワーには欠ける」という、ものすごく中途半端な本になってしまっているのです。ここで紹介されていることを「私もやってみたい!」って思うような読者はあまりいないような気がしますし(だってどれもつまらなさそうだし、「取材だからやらせてもらっている」ってことばっかりだし)、普通の日本人がイタリアを訪れるのって、たぶん一生に1回でしょうから、こんなことをやるより「最後の晩餐」を観たり、『コロッセオ』を見学して『グラディエイター』の世界を想像したりするので目一杯のはずだし、僕はそのほうがはるかに有意義だと思います。
いや、タイトルが「イタリアフリークにオススメの『他の人が体験できないイタリア』」とかだったら許せるけど、こんな「一般向け」っぽい売り方でこの内容は酷い。そもそも「爆笑」できないし、「冒険」でもないよこれ……
すみません、僕はどうも小栗さんとトニーさんが苦手なので、悪口ばかりになってしまいました。
でも、これを読んでイタリアに行くのなら、これを読むよりマンガが無くても『ローマ人の物語』を読んでから行ったほうがよっぽどいいです。ちなみに僕は、『(3)ハンニバル戦記』から読むことをオススメしています。
ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) (新潮文庫)
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/07/01
- メディア: 文庫
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