琥珀色の戯言

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ハンス・ベルメールの球体関節人形

参考リンク:「ハンス・ベルメール:日本への紹介と影響」

 金原ひとみさんの『アッシュベイビー』の表紙には、かなり不気味な人形の写真が使われています。どこかで見たことがあるような…と思っていたら、これはハンス・ベルメールという人が紹介したという「球体関節人形」の写真なのだそうです。押井守監督の『イノセンス』も、この「球体関節人形」の影響を受けているのだとか。

 ベルメールがしたことは、人間の身体に「関節」という分節を刳り(くり)込み、強制的に分割し、身体パーツをアナグラムのように組み替える試みでした。本作の表紙写真を良く見ると、少女人形の体をバラバラに分解してから、ダルマ落としのように積み直してあります。胴体の上下に股関節が接続し、股関節に顔が載せられた奇妙な「人形」。それはまるで、名前も機能もなくした、バラバラ殺人の死体のようです。実際そこには、死体だけが持つであろう、フェティッシュなエロスが抽出されています。             斎藤環さんの「解説」より。

 ふうん、そういうものなのか……という感じではあるのですが、確かにこれ、印象に残る写真ではあるんですよね。
 実際に僕がこの文章を読んでいて思い出したのは、「そういえば『鋼鉄ジーグ』の超合金で、頭のところに足をつけたりして遊んでたよな……」ということだったんですけど。

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