琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

「常連」になることへの恐怖

2年間毎日、客を減らし続ける美容院(Hopeless Helpless('07/4/24))

 ↑の内容とはちょっとズレた話なのですが、これを読んでいて僕が考えたこと。
 僕はいろんな店で「常連」になるのってすごく嫌というか怖いんです。床屋でも本屋でも定食屋でも。なぜなのかは、自分でもうまく言葉にはできないのだけれども。
 ときどき、自分の行きつけの店に知り合いを連れて行って「いつもの!」なんて言う人っていますよね。ああいうの、僕には絶対にできません。時々行く定食屋で「いつもありがとうございます。これサービスです」って小鉢とか出されたりしたら、その店は僕の「選択肢」からは外れてしまうのです。これからこの店に行くたびに「常連」として立ち振る舞うことを要求されるのは辛いなあ、と。気を遣うのもめんどうだし、裏切るのが怖いから、期待されるのも怖い。「常連だからリラックスできる」なんていう人が心底羨ましい。僕の場合、基本的に、人が、人間関係が怖いのでしょうね。
 僕が選ぶ床屋の選択基準も「速いこと」「話しかけられないこと」が最重要なんですよね。
 そういえば、小学校高学年のときは、マイコンゲーム雑誌を一つの店で大量に買い込むのがなんだかとても恥ずかしくて(ちなみに、「美少女ゲーム誌」とかじゃないです。『ログイン』とか『ポプコム』とか『ベーマガ』とか『Oh!X』とかね)、わざわざ本屋をハシゴして、何冊かずつに分けて買っていました。で、最後の店に肝心の雑誌が置いてなくて、泣く泣く最初の店に戻ったり。お店の側からすれば、たぶん、ちょっとした常連さんだって、「大勢の客のうちのひとり」でしかないのだし、レジのお姉さんだって、オタク風の中学生が買った雑誌なんて、いちいち覚えちゃいないに決まっているのですが。

 なんというか、そういうのをあらためて考えてみると、僕っていうのは「目立ちたくない」「他人に気を遣ったり、遣われたくない」という一方で、なんだかものすごく自意識過剰な人間でもあるように思われます。
 この『琥珀色の戯言』というのは、まさにその象徴的な場所なのかもしれません。

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