琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

「はてなスター」雑感

はてなダイアリー日記 - ブログをいっそう楽しくする「はてなスター」をリリースしました

 僕個人としては、こういう機能を導入しようと考えた「はてな」のスタッフの人たちの気持ちはよくわかるのです。
 最近のネット上のコミュニティというのは、mixiのような「仲間同士の閉鎖空間」か、「はてなブックマーク」のような「議論・自己主張の場」の両極に分かれてしまっていて、「ブックマークでコメントをつけるような特別な感想はないんだけど、ちょっと面白いな」とか、「サイトは好きなんだけど、濃厚なコミュニケーションは苦手(あるいは、相手が望んでいなさそう)」というような人たちにとっては、そういう気持ちを「伝える手段」がなくなってしまっているような気がしていたので。
 しかしながら、現在実装されている「はてなスター」に関しては、なんとなく「思いつき」っぽくて、ちょっと嫌な感じです。「はてなダイアリー」が、かなり遅くなってしまったような気がするし。誰でも、何回でもクリックして星を増やせるというシステムは、「はてなブックマーク」の「ブクマ数が少ないと、内容がつまらないというイメージを与えてしまう」というのを意識したのかもしれませんが、じゃあ、ほとんど意味のない星の数を公然と表示することに、何の意味があるのだろう?と。

自分が最近1ヶ月以内に☆をつけた相手はFavoriteとなり、☆をつけあってお互いがFavoriteになるとFriendになります。Favoriteにした人が自分のブログを見たときには「Addボタン」のとなりに「コメントボタン」が表示され、コメントを残せるようになります。自分が気に入った人からのみコメントを受け付けることができ、コメントの閲覧も自分が気に入った人からのみ可能です。

 これって、イメージとしては、「ブログマイミク申請」みたいなものですよね。mixiの「マイミク申請」よりは敷居が低くて、「ファンです」「読んでます」という、ちょっとしたファンレターとしてみんなが使ってくれればいいんでしょうけど、僕の予想では「めんどくさい馴れ合いの温床」にしかならないのではないかと思われます。ひと昔前『エンピツ』という日記システムでは、自分が気に入った日記を登録できる「My日記」というシステムがあったのですが、これがまためんどくさいのです。他の人の日記をちょっと面白いなと思って登録しただけなのに「My登録ありがとうございます!」という感謝のメールが来るし「My登録させていただきました」なんていう報告のメールも来る。そんなの好きにやってくれ、という感じなんですが、実際にそういう「報告」が来るとなると、返事をするのもめんどうだし、無視するのも罪悪感があるのです。「そんなつもりで作ったシステムじゃない」のだろうし、そんなつもりで使う人は少数派なのでしょうけど、正直「まためんどくさいシステムが増えたな……」としか思えません。

 その取り組みの第一弾として、今回のはてなスターを開発しました。はてなスターでは基本的に他人を褒めることしかできません。コメントをつけるにはともだちになる必要があり、ブログを読む人の9割が「面白い」と感じているの に、実際に目に見えるのは残りの1割の人の批判的な意見ばかり、というような事は起こりにくくなっています。また、オープンな空間に部分的な閉鎖空間を偏在させることによって、良質なコメントのやり取りができるようになると考えています。

 まさに「正論」ですし、こういう性善説に基づいて作られている「はてな」は素晴らしいと思います。
 僕だって、書いている人間のひとりとして「これはひどい」をベタベタ貼られまくるよりは、誉めてもらえたほうが嬉しい。
 ただ、その一方で、「人を褒めることしかできない空間」っていうのは、居心地悪いですよ本当に。

 僕は某広島カープ(現在最下位独走中)の大ファンなのですけど、最近のカープは前半でリードしていても終盤で必ずリリーフが打たれて逆転負け、先取点を取られると完膚無きまでの惨敗、ストッパーだったはずの永川は登場すれば炎上、エース黒田でも勝てず、チャンスは作るものの全く点に結びつかない打撃陣、ここ一番での痛恨のエラーなど、僕が長年観てきたなかでも「神がかり的に弱いチーム」になってしまっているのです。
 当然のことですが、mixiの「カープファンコミュニティ」も荒れ気味です。
 
 ところが、カープには熱狂的なファンも多いので、彼らのなかには、10対0で負けている9回表のカープの攻撃とかでも「まだ逆転できる!ファンが信じないでどうするんだ!」とか、ブラウン監督や永川に罵声を浴びせるコメントに対して「カープファンなら、批判じゃなくて応援しろ!」と「コミュニティは常にポジティブな空間であること」を主張し、なかには、ネガティブコメントを連発する「偽りのカープファン」を断罪しはじめる者もいるのです。
 でもね、僕の率直な印象としては、こんなに酷い負け方が続いていて、そのうえ10点も負けている試合の終盤に「まだまだいけるぞ!」とか「信じてるぞ!」とかいうようなポジティブな書き込みばかりが続いているのを観ると、なんだか「気持ち悪い」んですよ実際。そりゃあ、どんなときでも応援するのがファン、なのかもしれないけどさ、堪忍袋にだって容量の限界があるし、どうみてもムカつく状況なのに、みんなが前向きなことばかりコメントしている状況っていうのは、「異常な世界」にしか思えません。苛立ちや違和感を表明することすら許されないインターネットって、それはそれで「不健全」なものなんですよ、たぶん。それでもそこに残るのは、「狂信者」だけなのではないかなあ。
 
 僕もけっこう「はてなブックマーク」には腹が立つことはありますし、もうちょっと地味に「とくに言いたいことはないけど面白かったです」というのを伝えられるシステムがあればいいな、とは常日頃感じているのですが、いまのままの「はてなスター」では、近いうちに「淘汰」されそうです。「はてなブックマーク」は、あれだけ批判を浴びながらも「定番」になっていますから、結局のところ、多くの人にとって「便利だし、許容できるくらいの荒れかた」なのでしょう。
 もっとも、「清らかなだけのインターネットなんてつまらない!」って言いながらも、僕だって自分が批判の対象になるのは遠慮させていただきたいし、みんなそんなものだと思うのですけどね。

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