- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2007/07/20
- メディア: 単行本
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内容(「MARC」データベースより)
別れた夫・鴨ちゃんが帰ってきた! 4人家族に戻った一家の、世界をマタにかけた大騒動。
『毎日新聞』連載「毎日かあさん」と「毎日かあさん カンボジアだあ」に、鴨ちゃんとの輝く日々を描いた書き下ろしを加え単行本化。
僕は西原さんの熱心な読者ではあるのですけど、正直この『毎日かあさん』シリーズだけは、自分が子育て経験を持たないこともあいまって、「なんとなく苦手」だったのです。そもそも、僕はここで西原さんが描いているような「微笑ましい子供」ではなかったので、『毎日かあさん』を読んでいると、僕はきっと「子供らしくない子供」として親を悩ませていたのだろうな、と悲しくなってくるのです。
でも、この『4』を読んで、僕はぽろぽろと涙をこぼしてしまったのです。
巻末に描かれた鴨志田穣さんと「最後の日々」で、鴨志田さんが西原さんに「さいごに」遺した言葉の重さに、子供を持った人間の強さ、そして歓びと哀しみを感じずにはいられなかったのです。「子供に縛られたくない」って僕も思うけれど、自分が退場したあとの世界に「希望の種」を遺していけるのって、やっぱり素晴らしいことなのかもしれないな、と思います。
僕個人としては、鴨志田さんが亡くなったからといって「いい人だった」とは思えなかったのです。アルコール依存で、周りに毒づきまわるような人を「死んでしまったから許す」なんていうのは、やっぱり何かが違うような気がしていました。同じようなアルコール依存症の家族を持つ人のなかには「どうしても許せない」って人も多いはずだし、それを「許せない」ことは、けっして罪ではないはずです。西原さんは、仕事にも経済的にも恵まれているからねえ……なんて皮肉のひとつも言いたくなりましたし。
「カモちゃん。死んだから言うわけじゃねえけど、オレもお前を許すよ」(by 活字中毒R。(07/4/23))
↑で、ゲッツ板谷さんが鴨志田さんへの「追悼文」を書かれているのですが、僕がゲッツさんだったら、「こんなことを言われたら、死んでも許せない」と思うもの。
でも、この『毎日かあさん』を読んで、僕も「西原さんやゲッツ板谷さんが鴨志田さんを許すと言っていること」に関しては、僕にも少しわかるような気がしたのです。
それもまた、「家族」とか「友達」っていうものなんだろうな、って。