琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

蒼き狼 地果て海尽きるまで ☆☆☆

Amazonの「内容紹介」
史上空前のスケール!2007年最高のエンタテインメント超大作『蒼き狼 地果て海尽きるまで』待望のDVD化!

観客動員数100万人突破!”史上最大の帝国を築いた男”チンギス・ハーンを描いたエンタテインメント超大作『蒼き狼 地果て海尽きるまで』待望のDVD化!
◎製作総指揮:角川春樹◎総製作費30億円◎日本・モンゴル合作、4ヶ月にわたるオール・モンゴルロケ◎2万7千人のエキストラによる即位式シーン◎440スクリーンでの超拡大ロードショー◎香港プレミア上映etc...公開前、後にその空前絶後のスケール感で話題を集めた。主人公チンギス・ハーンを演じたのは反町隆史。他、菊川怜若村麻由美松山ケンイチ、Ara(新人)など、日本映画界を代表する豪華キャストが集結した話題作である。

↑この「紹介」が、すでにツッコミどころ満載なんですが……


参考リンク:角川春樹が語る、映画『蒼き狼』の製作費30億円の内訳(活字中毒R。)


 観終えての感想は、「うーん、この題材をこんなにお金をかけて撮ったのに、この程度の映画になってしまうなんて……」というものでした。率直に言うと、「大河ドラマ風日本版チンギス・ハーンの生涯ダイジェスト」を見せられたような気分です。「このテーマなのにつまらない」のだけれども、その一方で、「このテーマだから、なんとかギリギリ最後まで観ることができた」という感じ。
 しかし、この映画を観て思うのは、「いたずらにお金をつかって人を集めれば『スケール感』っていうのは出るわけではないのだな、ということでした。角川春樹さんが自慢していた「戴冠式のシーン」なんて、「このくらいの意味しかないシーンなら、CGでもよかったんじゃない?」って思いましたし、スケール感に圧倒されるというよりは、「群集のなかにサボったりしているエキストラがいないかな?」というような目で観てしまったんですよね。なんというか、非常に感情移入しにくい映画。チンギスを助けるキャラクターもたくさん出てくる割には、あまり彼らが活躍する場面がないし、戦闘シーンも「これ、日本の戦国時代の戦闘とどこが違うの?(まあ、銃器がないのは「違い」ですけど)と疑問になってしまいます。そもそも、大きな戦闘シーンが3回くらいあり、たくさんの人と馬が動員されているのですが、肝心の戦闘シーンは「みんな同じ」なんですよね。違うのは敵の旗の色だけ。意味のない殺し合いの連続に、観ていて飽きてしまいます。客に戦闘シーンで居眠りさせちゃダメだろ……

 『アレキサンダー』では、敵によって象が出てきたり、武器の種類が違ったりして、バリエーションがあったのですが、そこまでお金はかけられないとしても、個々の「戦い」をもうちょっと差別化できなかったのかなあ。
 役者さんたちの演技としては、「反町さんがチンギス・ハーン」という時点で、「大河ドラマ臭」がしまくっていて、がんばればがんばるほど「でも日本人だものなあ」というのが浮き彫りにされるという印象です。これは脚本の問題なのでしょうが、登場人物が「なぜそういう行動をとったのか?」というのが意味不明なことも多いし。

 ただ、僕はこの映画のDVD、某レンタルショップで借りたのですが、5本くらい置かれているのに、けっこういつも「貸し出し中」なんですよね。『犬神家の一族』もそんな感じだったのですが、「とりあえず一度観てみようかな」と思わせる力はある作品のようです。僕もそうだったし。そのあたりは、「角川映画の底力」といったところでしょうか。

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