琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? ☆☆☆☆

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)

 「2ちゃんねる」の管理人「ひろゆき」こと西村博之氏語りおろし(書き下ろし、でないところがポイント)の本。
 あまり技術的なことには知識も興味もない僕にとっては難しい内容もあったのですが、「インターネットの寵児」である「ひろゆき」が、今、どんなことを考えているのか?というのを知ることができるというだけでも、かなり面白く読める本でした。

 インターネットにまつわる技術の進歩について、さまざまなことが論議され、すごいことになっているのでないかと騒がれていますが、本来の技術という面からインターネットを見てみると、普及し始めた'95年、'96年以降、目新しくて素晴らしいという技術は、あまりないでしょう。通信速度が上がったことや、フラッシュによる映像が奇麗になったくらいのものです。
 では、今現在、多くの方が耳にしているインターネットの進化というものは、当時と比べてみて何が違うのでしょうか? それは、昔からあったさまざまな技術を、さまざまな営業的サービスを駆使して見せ方を変え、売っているだけにすぎないのです。デザインがオシャレだったりするだけで、僕は、それ以外ないと思っています。なぜなら、インターネットの基礎的な技術は、すでに開発が終わってしまっているからです。
 今後インターネット技術では発明は生まれないでしょう。既存のサービスやソフトの名前を変えて出すくらいしかありません。インターネット初期から現在に至るまで、基礎的な技術に関しては、まったく変わってない。ブログが進化していないことに、一般の人たちは薄々感づいています。今でもあるようですが、ネットに繋ぐと匂いが出るというような進化はあると思います。でもそれは、匂いを合成する技術がすごいだけで、インターネット自体の進化ではないのです。

 こういうことをサラッと言い切ってしまえる「身も蓋もなさ」というのは、ひろゆき氏と堀江貴文社長の共通点なのかもしれないな、と思いながら僕は読みました。
 まあ、これは逆に「これからは技術そのものの優劣よりも見せ方を工夫すること」だとひろゆき氏は考えている、ということなのでしょうし、そのひとつの答えが、『ニコニコ動画』なのでしょうけど。

 そうそう、小飼弾さんとの対談(これ、『SPA!』に一部載っていましたね)での

西村(ひろゆき「短いコードって見た瞬間「こんな簡単なやり方があったのか!」と驚きませんか?僕、一番初めに触ったパソコンが『MSX』のベーシックなんですけど、それでゲームをするときって、テンキーの左が4で右が6だったんです。4が押されたらキャラクターが左に、6が押されたら右に1ドットずつ動くというプログラムだったんですけど、賢い人がいて押されたキーから5を引くというプログラムを作ったんです。6から5を引くと1なので右に1ドット、4から5を引くとマイナス1なので、左に1ドットという1行の式を書いた人がいた。この人は賢いと思ったけど、その瞬間に僕はプログラマーにはなれないと思いましたもん。」

小飼「分岐は敵という、プログラムを書くとき優先順位の高い法則の一つですね。単純に分岐は遅いですからね。

僕も自分でプログラムを組んでいた時期のことを思い出しました。
僕も一時期パソコンで仕事ができたらなあ、なんて夢想していたのですが、「プログラマー」になれる人となれない人の「発想の壁」というのは、こういうところにあったんだよなあ、とあらためて感慨深かったです。

 そうそう、「Web2.0って何のことだかさっぱりわからない!」という人にもオススメです。ちょっとだけ自信がつきます。

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