琥珀色の戯言

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地球の裏のマヨネーズ ☆☆☆

地球の裏のマヨネーズ (文春文庫)

地球の裏のマヨネーズ (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
氷河の旅から炎熱洪水奥アマゾンへ。ひと息ついたらチベット巡礼。地球ジグザグ男の汗ダラ紀行。

もうすっかり「定番」になってしまった椎名誠さんのエッセイ集。もう「定番」という感じで、「あ、この話、椎名さんのエッセイで読んだことがある」と思うようなエピソードでも、それがどの本に収録されていたか思い出すのは難しいくらい「粒ぞろい」(まあ、「マンネリ」とも言えなくはない)なのですけど、それでも、書店で「気軽に読める本」を探していて手詰まりになったときには、椎名さんの本に手が伸びることが多いです。
「文庫板のためのあとがき」で、椎名さんはこんなふうに書かれています。

週刊文春」に連載している「新宿赤マント」(現在は「風まかせ赤マント」のタイトルになっている)が1年分ぐらいたまると単行本になる。
 週刊連載というのは毎週原稿の締め切りがくる(あたりまえだけど)ので、ぼくみたいにしょっちゅうあちこち旅ばかりしている者はしばしばその旅の話を書く。今回も文庫にしょっちゅうあちこち旅ばかりしている者はしばしばその旅の話を書く。今回も文庫のために改めて著者校正があるので久しぶりにコレをずっと読んだが、やっぱり旅の話が多いので読んでいるだけでくたびれてしまった。それにしてもこの男(ぼくのことです)どうしてこんなにあっちこっち旅ばかりしているのだろうか。我ながら呆れる思いだ。

僕が椎名さんのことを知り、本を読み始めてからだけでも20年近くになるのですが、その間、椎名さんはずっと「旅」を続けておられます。僕はずっと、「今度生まれ変われるとしたら、椎名さんみたいな男になりたいものだなあ」と憧れているのですが、これだけ旅を続けているにもかかわらず、「ゴール」はいまだに見えていないということに、正直、ちょっとせつなさも感じてしまうんですよね。椎名さんは、いつまでこの旅を続けていかなければならないのだろうか、と。

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