琥珀色の戯言

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「テラ豚丼」騒動


吉野家、「テラ豚丼」動画騒動で謝罪(ITmedia News)

まあ、吉野家としては、「謝る」しかないだろうな、とは思います。実際にそこまで厳密に「犯人探し」をやるかどうかはさておき。
しかしながら、この「テラ豚丼」って、確かにもったいないし、作った後に鍋に戻した、なんて話を聞くと「ちょっとなあ……」と嫌な感じにはなるんですけど、こういうのって、もし僕が大学生くらいで、同級生がバイト先でやった悪戯として聞いたとしたら、別にそいつを責めたりすることはないような気がするんですよね。「そんなことするなんて、バッカだなあ、お前は!」なんて一緒にニヤニヤしてしまうかもしれません。外食産業の厨房が100%清浄であるなんていうのは、やっぱり幻想だろうと思うしね。いやまあ、あの『愛の貧乏脱出作戦』とか『あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します』に出てくるクラスの店はそんなに無いと思いたいけれども。

でも、もし「インターネット動画投稿サービス」が存在しなければ、この作者は、こんなことしなかったのではないかと思うんですよね。独りで厨房に篭ってこんなことやってたら、虚しくなるだけだろうし。
こういう「劇場型悪戯」って、やっている本人の予想外の方向で独り歩きして、炎上してしまう可能性があるのですが、炎上させる側としても、そんなたいしたことじゃないよな、と思いつつも「こいつを見せしめにしておけば、自分が食べている豚丼のリスクが減らせるのではないか」というような計算をしてしまうのではないでしょうか。いや、「テラ牛丼」も酷いけど、けっこうそこらへんのコンビニにも、酷いコンビニ店員は存在していますし、このくらいの悪戯をするバイト君って、そんなに珍しくないのでは。
ただ、それを「公開」してしまったからこんなに問題になっただけで。
ニコニコ動画』を観ていると、「人と繋がる」ために、どんどん行動がエスカレートしていく人っているんだな、と思います。一昔前の「不倫日記」なんかがそうだったように。繋がるために無理をしていったのにもかかわらず、(本人にとっては)ある日突然、すごい逆風が吹いてくる。しかしながら、そのギリギリのところにしか「成功」はない。車の運転と同じで、ぶつけてみないと感覚はつかめないのです。
 この「テラ豚丼」騒動って、まさに「ネットがもたらした事件」ですよね。ネットが無ければ、「そんものをつくった店員がいるらしい」なんて、都市伝説化していたのかも。

ところで、最近『すき家』で、「メガ牛丼」頼んでいる人って、かなり減ってきましたよね。一時は牛丼が売り切れになるくらいの騒ぎだったのに。ああいうのは、たぶん、落ち着くべきところに落ち着く、ということなのでしょう。名物としてメニューには残っても、あんな杯カロリー+同じ味が荒涼とした砂漠のように続く食品が「主力」になるほど、お客も偏ってはいないでしょうし。
僕もさすがに一度食べたらもういいかな、と思いました。

あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します (UNPOCO ESSAY SPECIAL!)

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