琥珀色の戯言

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世界のとんでも法律集 ☆☆☆


世界のとんでも法律集 (中公新書ラクレ)

世界のとんでも法律集 (中公新書ラクレ)

「市民は死ぬことを禁じる(ブラジル)」「教会でおならをした場合、終身刑(アメリカ)」 こんな決まりが本当にあるなんて! 現代法治社会に存在する世界各地の「とんでも法律」を、その背景や各地の法律事情を交えて紹介。

値段のわりには、ボリュームも内容もちょっと「薄い」かな……という本ではあるのですが、ちょっとした話のネタとか気分転換とかにはなかなか良いのではないかと思います。
それにしても、日本しか知らない僕にとっては、世界の国々の「文化」とか「考えかた」の多様さは驚くべきものではあるのです。
「市民は死ぬことを禁じる(ブラジル)」という法律(実際には、「市長が立法化を提案しただけ」なのだそうですが)、僕はこの「法律」の文言だけを見て、「ああ、要するに『みんな命を大事にしなきゃダメだよ』っていう呼びかけ」(あるいは、雪山で遭難して眠ってしまいそうになっている人に対する『眠ったら死ぬぞ!』みたいな励まし)なのだな、と思っていました。まあ、それなら一種の「美談」あるいは「人を幸せにするジョーク」だよな、と。
ところが、この本の解説には、こんなことが書いてあります。

誰もが感じる、「死ぬのが違法になっても、亡くなった人から罰金もとれないし、逮捕もできない。どうすんの?」という疑問にも答えているからです。
すなわち、「もし違反した場合には親族に違法性を問う」とのこと。フランスのル・ラバンドー町(町長が同様の法令を町民に布告)では、「死ぬことを禁止」と命じてはいても、実際の罰則規定はありません。
また、ミリン市長は「健康に配慮しない市民にも適用する」こともあわせて提案しています。
どちらにせよ、理由はお墓用地の不足が深刻なためです。限りある地球にわれわれは住んでいます。「そのうち、街はお墓だらけになる」と思ったことのない人はいないでしょう。墓地の不足は温暖化と同じく、今や世界中で深刻な問題なのです。

いや、「人道的見地」から「死ぬな」っていうのなら理解できるんですけど「墓が足りないから死ぬな」って言うのはすごいですよね。日本ではこんなこと絶対に「思ってても言えない」はず。いくら「死ぬな」って言われても、早いか遅いかの違いだけじゃないかという気もするんですけどね、こういうのって。

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