琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ひとりたび2年生 ☆☆☆☆


ひとりたび2年生

ひとりたび2年生

内容紹介
ひとり旅も2年目に突入しました!
列車泊、船泊、断食泊。おっかなびっくりチャレンジしてみました。
石垣島14日間ステイの模様を、どど~んと書き下ろし!
大人気作家、たかぎなおこの最新刊!
今回も、ひとりで日本中を駆け回ってきました。今回は、中山道歩いて峠超え、函館グルメ旅、四国でうどん食い倒れ、伊豆で断食宿泊に挑戦、沖縄八重山2週間ステイなど。きっと、ひとりたびに出たくなるはず。写真もたっぷり掲載、書き下ろし満載でおおくりします。

ああ、なんとなく好きだなあ、この本。
この本の表紙の絵もすごく好き。

と書くと、「なんとなく」とか言ってるからお前はダメなんだよ、と自分を責める内なる声が聞こえてくるわけです。でも、この本に関しては、「なんとなく好き」がすごく似合うのではないかと。
前作『ひとりたび1年生』のときは、「面白いような気がするけど、とくに物珍しいことが書いてあるわけでも、勉強になるわけでもない本だからなあ……」と思っていたのですけど、この『2年生』を読んでいると、やっぱり僕はこの本が好きだなあ、と実感できました。
世間の「旅行記」の大部分は、現地の人たちに積極的に話しかけて仲良くなったり、貴重な体験をしたりしたものなのですが、そういうのを読んで「すごいなあ」と思うのと同時に「でも、僕にはこんなことできないよなあ」という引け目を感じずにはいられなかったんですよね。自分の「旅」というものに関して、「やっぱりこんな旅のしかたじゃダメなのか、というか、こんなネガティブな生き方そのものに問題が……」というような。
でも、この『ひとりたび2年生』を読んでいると、「世間の大部分の人たちは、『不器用な旅人』なのかもしれないな」と安心できるのです。たかぎさんは、世界の秘境に行くわけでもないし、現地の人とものすごく仲良くなるわけでもないんですけど、そんな旅でも、たしかに本人にとって、いろいろと感じることはあるんですよね。普通の人の、普通の旅にも、けっこう感動があるし、それは他人の経験と優劣を比較するようなものじゃない。

波照間島の宿で、たかぎさんが考えたこと。

そう…昨日から思っていたのだけど
この宿には、ひとりでもう何度も来ているという人が多く…

 わりと旅の重要ポイントが
「行ったことのないとこに行って 見たことのないものを見たい!!」
と思っていた私には
「なんでそんなに同じところに何度も来たいと思えるのだろう…」
とちょっぴり不思議だったのですが…

でも自分のお気に入りの場所を見つけて その場所で過ごす自分が好きで…
そんな時間を味わうために旅をしていて…

「そういうお気に入りの場所を持っているというのも なんだか大人っぽくていいな〜」
…とも思ったり

僕も「人生は短く、まだまだ行ったことがない場所もたくさんあるのに、同じところに2度も行くなんて!」と考えがちなのです。
でも、これを読んで、どんなに頑張ってもこのまま仕事をしていれば、世界のすべてを回るなんて不可能なのですから(そもそも、そんな気力も体力も財力もないしね)、もっと自分に素直に「お気に入りの場所でのんびり過ごす旅」を選ぶ時期なのかな、という気がしてきました。
そんなに「旅好き」じゃないけど、ときどきどこかにふと出かけたくなる。でも、この年末は仕事で旅行にも出られず……
そういう人たちには、すごくオススメできる本だと思います。

僕もこれを読んで、「北斗星」に乗ってみたくなりました。
……一晩中DSで遊んでで「いつもと同じ」になったりしてそうだけど。


ひとりたび1年生

ひとりたび1年生

アクセスカウンター