琥珀色の戯言

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自費出版大手の出版社「新風舎」が事実上倒産


新風舎:民事再生法の適用申請へ…自費出版大手(毎日jp)

 新風舎は80年創業。自費出版業者の草分けとしてセミナーや相談会、さまざまな出版コンテストなどを開催して急速に知名度を上げた。

 同社が昨年末、債権者に送った文書によると、一部マスコミ報道による批判などから売り上げが急落し、債務支払いが滞ったという。同社は昨年7月、絵本や自伝を出版した複数の著者から「書店に並べて宣伝、販売するという契約と異なり、わずかな冊数しか店頭に並ばなかった」として提訴されている。

 「出版年鑑2007」によると、05、06年は新刊書籍発行点数(2719点、2788点)が2年連続で講談社を抑えて1位となっていた。帝国データバンクによると、ピークとなる06年8月期の年売上高は52億8600万円を計上していたが、昨年同期は46億1700万円に減少。最終純損失は4800万円になった。

もしこういうことが起こったら、「ざまあみろ!」「天罰だ!」的な感想を抱くのではないかと自分では予想していたのですが、正直なところ、「どうして事実上倒産」なんてことになっちゃったんだろうなあ……というような不可解な気持ちのほうが強いです。訴訟や報道の影響(もちろん、さまざまなブログなどで取り上げられたことも含めて)はあったのでしょうけど、ここで紹介されているようなビジネスモデルであるとすれば、20億円もの負債ができるものなのだろうか?と。すごく利益率が高そうな商売なんですけどねえ、これ。
ちょっと穿った見かたなのかもしれませんが、この倒産劇の背景には、「書籍という媒体そのものの威信が低下していること」が色濃く反映されているような気もします。もう、わざわざ自叙伝なんて出版しなくても、ブログにでも書けばいいや(あるいは、自叙伝なんて無意味だ)、という人も増えているのでしょう。あまりに悪質なものは淘汰されて然るべきだと思いますが、自費出版社が絶滅してしまったら、それはそれでちょっと寂しいような気はします。

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