琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

もし、あなたの目の前に「選択肢」があらわれたならば。


あれこれ書くとかえって面倒なことになりそうなので、ひとつだけ例を挙げておきます。
ある(一般的に「カルト」と目されている)新興宗教の信者たちは、こんな話をして、信者を勧誘しているのです。

(私たちの)神を信じていない者たちは、間もなくやってくる「審判の日」に地獄に落ちて未来永劫苦しみ続けるのですよ。
あなたは、神を信じて永遠の楽園に行くのと、神を信じずに地獄に落ちるのと、どちらを選びますか?

バッカじゃねえの?俺は神なんか信じずに地獄に落ちてやるぜ!
……というふうに考えるのは、もうすでに相手の術中にハマっているのです。
実は、こういうふうに「選択の幅をあえて狭めて、答えが2つに1つしかないように思い込ませる、というのが、「カルトの洗脳テクニック」なのです。「神なんか信じないから地獄に落ちてもいい」という人は、常に「やっぱり地獄に落ちたくないから、神を信じてみようかな……」と考え直してしまう危険性を孕んでいます。

ここでの「模範解答」は、「俺は神を信じないけど、地獄に落ちることはない」。
ネット上でも、他人を貶めるために、あるいは、自分の優越感を満たすために、こういう「本来はもっとたくさんの選択肢や答えがあるものを、自分があらかじめ設定した2つのうちの1つしか選択できないように思い込ませようとする人」がたくさんいます。
どうか、目の前に選択肢があらわれたら、「本当に、この選択肢の中から『答え』を選ばなくてはならないのか?」と、ほんの少しだけでもいいので、考えてみてください。

「私と仕事と、どっちを選ぶの?」
「どっちも選ぶ方法」を探せばいいんだよ、本当に心からどちらも必要だと思っているのなら。

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