とくに大きな意味があったり、教訓になったりする話じゃないんだけど、今ふと思い出したので書いておく。
まだ僕が大学生だった頃、後輩にかわいい(というか、最近の言葉にすると「天然」という感じ)後輩がいたのだが、彼女があるファーストフード店のバイトを始めたときのこと。そのバイトがあまりにキツかったので、彼女はたった一日働いただけで音をあげてバイトを辞めてしまったのだ。
その話を聞いて、同じ部活のある男は、彼女に「そんな甘い考えかたじゃあ、社会に出ても通用しないぞ」と説教し、ある男は、「そんなにつらいバイトじゃあ、やめてもしょうがないよね」と同情し、そしてある男は、「その1日分のバイト代、俺が貰ってきてやる!」と言って、その店に乗り込んでいった。
彼女はそのうちのひとりの男とのちに付き合うようになったが、ほどなく別れてしまった。
僕はこの3人のうちの1人だったのだが、今、このときのことを思い返しながら考え込んでいる。
あのとき、どれが「正解」だったのかな?と。
彼女がどこで何をやっているのかは知らないけれど、たぶん、あの頃と同じように、ふわふわとしながら周りに愛されて生きているんじゃないかと思う。