琥珀色の戯言

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『カップヌードル』が愛され続けている理由


日曜日のラジオで聴いた、こんな話。

 このあいだ、『カンブリア宮殿』っていうテレビ番組を観ていたら、日清食品の社長が出てさあ、こんなこと言ったんだよ。

カップヌードル』が50年も続いたのは、カップヌードルが「美味しすぎないから」

だって。
人間って、「美味しすぎるものは、飽きる」。
また食べたくなるのは、「美味しすぎず、不味すぎず、そこそこ美味しいもの」だって。

番組では、「ほっほー、だから僕みたいな平均的なサラリーマンがいちばん、って言いたいの?」と続いたのですが、それはさておき、発売以来37年売れ続け、国内ナンバーワンの売り上げを誇るカップ麺の代名詞、日清食品カップヌードル』が愛され続けている理由を、日清食品の社長さんは、こんなふうに考えておられるのですね。

しかしながら、実際に「カップヌードル」を作ったスタッフたちは、「その時代にできる最高に美味しいカップ麺」を作ろうとしていたわけで、別に「美味しすぎないようにしよう」と調節していたんじゃないんですよね。
逆に、そういう意識を開発陣が持っていたら、今の『カップヌードル』の隆盛は無かったように思われます。

結局、『カップヌードル』というのは、奇跡的にその「美味しすぎず、不味すぎずの絶妙なバランス」が偶然成り立ってしまった食品なのでしょう。
それを、37年ものあいだ、「マンネリ」だと言われることを怖れず、味を大きく変えたりしなかったというのが、『カップヌードル』の最大の「勝因」ということになるのかもしれませんね。

ちなみに、日清食品カップヌードル部ブランドマネージャー・脇坂直樹さんは、「『カップヌードル』が愛され続けている理由」について、次のように答えておられます。

インタビュアー:カップヌードルを思いついた原点は何だったんですか?


脇坂:世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明し、1958年に発売した当初から日清食品の創業者である安藤百福には「インスタントラーメンを世界の食品にしたい」という志がありました。実際、チキンラーメンは海外でテスト販売していたんですが、その合理性から期待以上の評価を受けました。そこで夢を実現するために、1966年頃に安藤が欧米に視察旅行に行き、そこで見た光景がカップヌードルの原点になっています。今でこそ当たり前ですが、向こうではコーヒーや水のディスペンサーがオフィスに置いてあり、使用済みの紙コップを捨てていたんですね。どんぶりと箸がないと食べられないチキンラーメンと、欧米の生活スタイルの簡便性との差に安藤はカルチャーショックを受けたそうです。そんなとき、アメリカ人のバイヤーがチキンラーメンを半分に割り、紙コップに入れてフォークで食べる姿に衝撃を受け、容器入り即席麺というアイデアを思いついたんです。


インタビュアー:35年間、愛され続けている最大の理由は何だと思いますか?


脇坂:商品の完成度が高いことだと思います。包装も調理器も食器も容器が兼ねていて、お湯を注ぐだけの究極の加工食品。これほど発売からスタイルが完成されていた商品はないんじゃないでしょうか。

「包装も調理器も食器も容器が兼ねていて、お湯を注ぐだけの究極の加工食品」
 僕はどちらかというと、社長の言葉は一種の「謙遜」で、こちらのほうが真の理由じゃないかな、と思います。
 ほんと、高校時代の寮で隠れて食べるときにも、ものすごく人気だったんですよね『カップヌードル』って。
 スープの小袋とか「湯切り」とかって、簡単なようでけっこう面倒くさくて、給湯室でゴソゴソやっていると寮監に見るかるリスクが高くなるので、「お湯さえ入れてしまえば大丈夫」なカップヌードルは本当に重宝していたのです。

参考リンク:「カップヌードル」のロゴに隠された「配慮」(活字中毒R。(2006/10/28))

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