琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

『LOGiN』の思い出

LOGiN休刊 - ユルス(2008/4/13)


「LOGiN」が休刊へ〜あの「LOGiN」が、25年の歴史に幕を閉じる(ITmedia News)

LOGiNは1982年5月、アスキー(当時)から季刊誌「ASCII別冊ログイン」として創刊し、翌年から月刊化。PCゲームにとどまらず、さまざまな話題をおもしろおかしくとりあげるスタイルが特徴。「ぽげむた」といった言葉も生まれ、80年代から90年代にかけて人気を集めた。一時期は月2回刊行していた。

 正直、『LOGiN』を含むパソコンゲーム雑誌の現状を考えると、よく今まで続けてきたよなあ、という感慨のほうが大きいです。
 『マイコンBASICマガジン』が休刊したというニュースを聞いたときから、いつかこの日が来るのだろうな、とは思っていたのですが、実際にこの一報を耳にしてみると、「悲しい」とか「残念」というより、「25年間おつかれさまでした」という気持ちになりました。
 僕は『LOGiN』を創刊号から10年前くらいまでずっと買っていたのですが、少なくとも80年代から90年代の初期にかけて、すべてのジャンルのなかで、いちばん発売を楽しみにしていた雑誌は『LOGiN』でした。X68000で市販ゲームがほとんど出なくなってからは、家庭用ゲーム機でしか遊ばなくなって、いつの間にか買わなくなってしまったのですけど。
 今でも実家には、昔『LOGiN』が山積みされています。

 『LOGiN』以前の「マイコン雑誌」というのは、「専門的なコンピューター関係の記事」と「ゲーム紹介」「プログラムリスト」そして「広告」が主な内容でした。
 『LOGiN』の前に僕がいちばん楽しみにしていたマイコン雑誌は『I/0』だったのですけど(ところで、『I/O』って今でも発行されてるんですよね)、それは、「内容は難しくてよくわからないけれど、とりあえずマイコンゲームの広告がいちばん多いから」でした。
 当時のマイコン雑誌で、僕は「広告」がいちばん楽しみだったんですよ。今度はどんな新しいゲームが出るんだろう、とか、自分が持っている機種に移植されるのだろうか、とか。『ブラスティ』とか『ディーヴァ』『ザ・スクリーマー』なんて、広告だけで悶え死にしそうだったんですよね。実際に遊んでみて、別の意味で悶え死にしそうなゲームもありましたが。 

 『LOGiN』が「エンターテインメント系マイコン雑誌の革命児」として発行部数を伸ばしてからは、広告も『LOGiN』に集まるようになり、『LOGiN』は、当時の「コンピューター雑誌の覇者」として君臨していました。
 僕が『LOGiN』のなかでいちばん記憶に残っている記事は、堀井雄二さんの新作アドベンチャーゲームのロケハンの様子が書かれていたもので、この『白夜に消えた目撃者』がいつ出るんだろう、とずっと待っていたことを、今でもときどき思い出します。『ムーンストーン』も、どこに行ってしまったんだそういえば……
 あと、「新しいジャンルのゲーム」や「海外ゲーム」をかなり大きくページを割いて積極的に取り上げていたのも『LOGiN』の特徴だったと思います。
 『LOGiN』の「アドベンチャーゲーム特集」で、『ZORK』の記事を貪り読んだり、シェラ・オンラインのハイレゾアドベンチャの画面の美しさに感動したり(まあ、それはどちらかというとベーマガでの山下章さんの活躍のほうが大きかったかもしれません)、『南青山アドベンチャー』で、「日本語テキストアドベンチャー」の礎を築いたり。いまは「サウンドノベル」と呼ばれているんだよなあ。おお、そういえば『エミー』なんていう会話ソフトもあった。
 この雑誌のおかげで、一度もプレイしたことがないのに『Wizardry』や『Ultima』の「信者」になってしまった人は少なくないはず。そういえば、『Wizardry4』の主役がワードナだという記事を読んで、「すごいこと考える人がいるもんだな、あの伝統のゲームの最新作でそんな冒険をするなんて……」と驚いたこともあったなあ。

 『LOGiN』は「ヤマログ」のような「投稿系」「お笑い系」の記事もすごく楽しかったのですが、思い出してみると、ゲームの記事だけじゃなくて、『オールザットウルトラ科学』やSF本の紹介など、「マイコンやゲームに話題に限らない、若者向けのサイエンス雑誌」でもあったんですよね。僕がSF小説を読むようになったのは、『LOGiN』で安田均さんが紹介されていた『銀河ヒッチハイク・ガイド』に興味を持ったからですし。J.P.ホーガンに挑戦して、すぐに挫折してしまったりもしたけれど。
 たぶん、『LOGiN』には、「徹底したエンターテインメントの追及」の裏に、「コンピューター、ゲームへの興味を入り口にして、もっと科学の世界に興味を持ってもらいたい」ってメッセージがこめられていたのではないかと思うのです。
 そして、そういう「使命感」みたいなものは、あの時代の「マイコン雑誌」の共通点だった、とも言えるのでしょう。

 「『科学』に対して、子供や若者たちが素直に夢や希望を持てた時代」は、はるか昔のことになってしまったのだな、というようなことを僕はなんとなく考えています。しかし、あの時代に「マイコン」に出会っていなかったら、僕はいったいどんな人間になっていたんだろうか……

 『LOGiN』の休刊号は絶対に買おうと思います。
 そして、最後に僕から『LOGiN』へ感謝をこめて。


ぽげむたなみょ〜ん!
 

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