琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

インターネット時代の「孤独」


昨夜のニュースで観た、秋葉原の事件の犯人の「動機」

「現実で大きな事件を起こせば、ネットで無視したやつらを見返せると思った」

鴻上尚史さんが、『SPA!』に連載中の「ドン・キホーテのピアス」に、こんなことを書かれていた。

 インターネットの時代になって、自意識が数値化されるようになりました。僕の二十代、否定だけを居酒屋で語り続ける奴は、周りからただ無視されたり嫌われたりしましたが、現在のように「コメント(0)」とか、一日のヒット数が表示されるなんていう、「数字によって冷酷に知らされる孤独」なんてものがありませんでした。えらいこってす。

 たぶん、「インターネットによって癒される孤独」というのは、確実にあるのだと思う。
 でも、その一方で、「インターネットによって思い知らされる孤独」っていうのもあるのだろう。
 そして、ネットが「一般的なもの」になるにつれ、現実社会での「コミュニケーション上手」が、ネット上でも「勝ち組」になり、「現実のコミュニケーションに苦しんでいる人」は、ネット上でも苦戦するようになってきている。

 もはや、「ネットで悪口を言われたから」どころではなく、「反応が返ってこない」ことだけで恨まれる時代なのだ。
 「自分の周りには誰もわかってくれる人がいない」という孤独と、「どこかにわかってくれる人がいる」と信じて投げたボールがどこからも返ってこない現実を突きつけられる孤独。後者は、たぶん、インターネット時代になってはじめて、「普通の人」たちも直面することになった「新たな孤独」だ。
 さて、この「孤独」は、どうやって癒せばいいのだるうか。

アクセスカウンター