- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/09/25
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あらすじ: 仕事に人生をささげた大富豪エドワード(ジャック・ニコルソン)と、家族のために地道に働いてきたカーター(モーガン・フリーマン)は、入院先の病室で知りあった。共に余命は6か月。やりたいことをすべてやり尽くそうと決意し、無謀にも病院を脱出。“やりたいことリスト”を手に、さまざまなことに挑戦する。(シネマトゥデイ)
「良い映画」「感動できる映画」だと多くの人が感じる作品なのかもしれませんが、僕はいまひとつ感情移入できませんでした。なんか「すばらしい世界旅行」みたいだし。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという名優が共演(「競演」ではなく、まさに「共演」なんですよこの作品は)しているというだけでもすばらしいとは思うのだけれど……
この映画、結局のところ「エドワードは大富豪で、金の力で(ほとんどの)やりたいことが実現できる」「2人は癌だけれど、一部のシーンを除いてはとくに食事・運動制限なし」という「ものすごく特殊な状況」の話。僕はこれを観ながら、「幸福は金じゃない」ということを悟るためには、ものすごくお金を遣ってみないと気づけないものなのだろうか……と考えざるをえませんでした。というか、「死ぬ前にやりたいことリスト」に書かれていることの大半は、「今までの人生でも、本気でやろうと思えばできていたはずのこと」なんだよね……
僕がこの映画を観てもっとも印象に残ったのが、カーターと妻との関係です。
カーターは、「自分が病気になってから、妻との関係の『何か』が変わってしまった」ことを悩み続けます。
その一方で、看護師として働いてきた妻は、「死んでゆく最愛の夫を看取る覚悟はできているけど、夫が自分の傍にいないことが耐えられない」と訴えます。
僕はそれを観ながら、カーターが「変わってしまった」と感じたのは、「自分はまだ生きているのに、周りが『もうすぐ死んでいく人』だというふうにしかみてくれなくなったこと」ではないかと思ったのです。大事にされてはいるのだろうけれど、腫れ物にさわるように扱われて生きていくというのは、すごく辛いことなんじゃないかなあ。
これは、僕自身も患者さんと接する際に気をつけるべきことだと感じました。
古代エジプト人はこう信じてた。
「死ぬと天国の扉の前で神に2つ質問され、その答えによって入れるか決まる」まんまと釣られた、教えてくれ。どんな質問だ?
「人生に喜びを見つけたか?」
「他者に喜びを与えたか?」
彼らが、この2つの質問にどんな「答え」を出したか……それは観てのお楽しみ、ということで。
僕は、天国に行けるかな……