この「ケーキの上にのっているサンタクロースとかトナカイの小さな人形みたいなやつ」が、僕は昔から苦手なのです。
食べちゃうのはなんだか残酷な気がするし、さりとて、捨てちゃうのはかわいそう。ゴミ箱の中で泣いてるような気がする。
結局、冷蔵庫の片隅にずっと置きっぱなしになることが多かった。
僕の子供のころの困った癖は、なんでも擬人化しすぎてしまうことで、「ひよこ饅頭」はまず最初に頭をひとおもいにかじってひよこを「絶命」(それ以前に生きてないんですけどね。わかってますよええ)させてから残りの部分をゆっくり食べていたし、鯛焼きも頭、とくに目の部分を一気に食べてしまうようにしていたんですよ。活け造りの魚ならともかく、鯛焼きだぞ昔の自分……いや、今でもその習慣は続いているんですが。
ちなみに、このケーキのトナカイは、あっという間にうちの嫁に食われました。
「トナカイはチョコレートでできてたからねえ。サンタはマジパンであんまり美味しくないからいらない」
ううっ、相棒を失って、かわいそうなサンタさん……
いや、こういうデコレーションも、人によってはかえって「見ているのがつらい」ものだったりするんですよ。
……そんなのお前だけだよ!ってそうですかそうですよね……